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交錯した裁判戦略…“知らぬフリ”“転嫁”“自分は犠牲者”

5/8(月) 11:43配信

ハンギョレ新聞

国政壟断被告人たち、それぞれの戦略 量刑貸借対照表を確かめて見れば… 朴前大統領、チェ・スンシルは一貫して否認

 裁判に付された“国政壟断”被告人は、それぞれ異なる戦略を選択した。有罪・無罪に対する自身の判断と共に、量刑に対する考慮までした各自の選択だ。容疑を頑強に否認して、検察との攻防を選択した被告人がいる一方で、早々に自白して善処を求める被告人もいる。被告人の弁論戦略とそれに伴う量刑貸借対照表を構成してみた。

 “国政壟断”の核心軸であるチェ・スンシル氏は、すべての容疑を否認している。彼女はコ・ヨンテ、イ・ソンハン氏ら側近に自身が「完全にはめられた」と法廷で繰り返し主張している。また“タブレットPC”など本人の犯罪容疑に含まれてもいない証拠に対してまで鑑定が必要だと要求し、一種の焦点ぼかし戦略も取っている。だが、こうした戦略は無罪が宣告されない場合には刑量に不利に作用しかねないというのが法曹界関係者らの評価だ。ある地裁の部長判事は「証人の証言と証拠が一貫してチェ氏の容疑を裏付けているにもかかわらず、むやみに知らぬフリ戦略を固守するならば、量刑の加重要素になりえる」と指摘した。

 容疑は認めるものの「上層部からの指示」と言って責任を転嫁するスタイルも見られる。アン・ジョンボム元大統領府政策調整首席秘書官がこれに該当する。彼は容疑を相当部分認めながらも「大統領の指示を遂行しただけ」と繰り返し強調している。「文化芸術界ブラックリスト」の作成と実行に関与した容疑を受けているキム・ソヨン元大統領府秘書官も「道義的責任と罪悪感を感じる」としつつも、自身は部下の職員を統率したり報告を受ける職位にはなかったという主張で、責任を減らすことに集中した。地裁のまた別の部長判事は「位階秩序が厳格な公務員社会で、やむをえず上層部の指示に従ったのならば刑の軽減要素と見るべきだろう」と話した。

 事実関係については一定部分認めるが、自身の行為は犯罪ではないと抗弁し検察を非難する人もいる。「ブラックリスト」の作成を指示した容疑などで拘束起訴された金淇春(キム・ギチュン)元大統領府秘書室長が代表的なケースだ。彼は先月6日、初めての正式裁判で自身を「特検の先入観の犠牲者」と主張した。金元室長の弁護人は「国家補助金を与えなかったからといって、芸術の自由を侵害したことになるのか」と反問もした。容疑事実の根本的前提に疑問を投げかけることにより、法理的に激しく争う戦略であるわけだ。イ・グァンチョル弁護士は「自身の行為が正当だと主張するために、憲法的価値秩序に反する主張まで動員しているが、もし判事が『行為の動機が反憲法的』と判断すれば刑の加重要素になりうる部分」と分析した。

 今月23日に初公判を控えた朴槿恵(パク・クネ)前大統領は、どんな戦略を取るだろうか。今のところ弾劾審判の時のように全般的な容疑否認をしつつ最大限裁判の進行を引き延ばすだろうという観測が多い。2日に開かれた最初の準備手続きで朴前大統領側のユ・ヨンハ弁護士は、18の容疑をすべて否認して、大規模証人申請の可能性を表わした。しかし、弾劾審判時のように裁判を露骨に遅延させようとすれば、裁判の進行に非協力的と映り、朴前大統領側に不利になるという見解もある。

ヒョン・ソウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:5/8(月) 11:43
ハンギョレ新聞