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規制委新チーム会合増す 東海第2の審査加速

5/9(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

原子力規制委員会による日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村白方)の新規制基準の適合性審査が加速している。東海第2と同じ沸騰水型炉(BWR)で並行して審査が進むほかの3原発より時間を要する論点が少ないとされるほか、規制委が東海第2を担当する審査チームを組織して審査会合が頻繁に開かれるようになったことなどが主な理由。一方、規制委は、ケーブルの防火対策を重要な論点に位置付けて時間をかけて議論していく構えで、最終判断に向けた審査の鍵の一つになりそうだ。

同原発は、2014年に新規制基準による審査を申請してから今月20日で3年になる。これまでに計45回の審査会合が開かれ、4月には審査申請以降で最も多い5回開かれた。各審査項目の論点を整理する非公開のヒアリングの回数も増え、今後も審査の頻度は増す見通しだ。

原電の村松衛社長は3月31日の記者会見で「2017年度は正念場」と強調し、審査に全力を挙げる姿勢を示した。

規制委は1月、地震・津波関係の審査の進展を受けて設備関係の審査を加速させる方針を決め、全てのBWRを審査するチームとは別に、東海第2の審査を担当する新チームを組織した。昨年10月から続く非難燃ケーブルの防火対策に加え、防潮堤の構造や炉心溶融(メルトダウン)で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷却する方法など、重大事故対策の議論も始まった。

昨年、基準津波(原発ごとに想定する最大規模の津波)と基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)が決まったことを受け、地震・津波関係の審査は、今年3月までに地震の審査をほぼ終えた。今後は津波の審査の一部のほか、火山噴火による火山灰の厚さの想定などを残すのみだ。

昨年4月から並行して審査してきた東北電力女川2号機(宮城県)と中部電力浜岡4号機(静岡県)、中国電力島根2号機(島根県)の3原発で、それぞれ特有の課題が浮上し、審査の難航が予想されることも、東海第2の審査が加速する理由の一つに挙げられる。

規制委は3月、並行して審査している原発の審査状況について、「東海第2が相対的には一番進んでいる」(更田豊志委員)とし、原電の準備が整えば審査が加速する可能性を示した。

一方、審査の先行きを不透明にしているのが、非難燃ケーブルの防火対策を巡る議論。規制委は非難燃ケーブルは全て難燃への交換を求める新基準の原則を旨とする一方、原電側は冷却系設備など安全機能がある機器に使われるケーブルのうち、発火の危険性が高い高圧電力ケーブルなどは難燃ケーブルに交換し、低圧電力など残りはケーブルトレイに防火シートを巻く工法を示している。

規制委側は、非難燃ケーブルを維持する箇所について難燃に交換できない理由や、防火シート工法の有効性などで、原電に詳しい説明を求めている。規制委の担当者は関西電力高浜1、2号機(福井県)で同様の工法を慎重に審査した経験から「東海第2も時間をかけて見ていく」とした。 (高岡健作)

茨城新聞社