ここから本文です

J2水戸ホーム・ケーズスタ 客席増設、遠いゴール

茨城新聞クロスアイ 5/9(火) 4:00配信

水戸市小吹町の市立競技場「ケーズデンキスタジアム水戸」の観客席増設が遅れている問題で、サッカーJ2水戸ホーリーホックの関係者やサポーターらが気をもんでいる。観客席増設は、ケーズスタをホームとする水戸にとってJ1昇格の条件の一つであり、実現しなければ、リーグ戦で好成績を残しても昇格できないからだ。現時点で増設時期は見通せず、沼田邦郎社長は「選手獲得にも響きかねない」と危機感を抱く。増設問題のゴールは遠い。

ケーズスタは1988年に完成した。改修工事などを経て、現在はメインスタンドとバックスタンドを合わせ、1万人収容できる。水戸の本拠地であるほか、年間70回以上の公式試合や陸上競技会、イベントなどが行われている。

Jリーグが定めるクラブライセンス制度は、チームがJ1に昇格するために必要なライセンスの取得要件として、経営状況などに加え、スタジアムの入場可能数を「1万5千人以上」としている。ケーズスタは5千席が不足しており、観客席の増設は水戸にとって、今後の昇格に向けて越えなければならないハードルの一つだ。



水戸の条件克服に向け、市はこれまでの計画で、2018年度までに東側のバックスタンド拡張と南北の芝生席の工事を予定してきた。しかし、拡張に必要な用地取得は「(地権者側の)権利関係の整理が必要」(市体育施設整備課)として、進んでいない。

19年茨城国体では、ケーズスタがラグビー会場となる。市は安全面に配慮し、開催中に工事が行われないよう、仮に用地取得できたとしても着工は国体終了後に延期するとした。これにより、拡張工事を終えるのは、最短でも22年度以降になるとみられる。

こうした状況について、水戸の沼田社長は「選手やスタッフも含め、目標が定まらない」と苦しい胸の内を明かす。J1に手が届かないチームにとって、選手獲得は困難を極めることから「一日も早いJ1ライセンス取得に向け、水戸市などとの協議を加速させたい」と、膠着(こうちゃく)状態の打開策を模索している。



現在、J2の全22チーム中、J1ライセンスを取得していないのは、水戸を含め3チームのみ。沼田社長は「J1には昇格できず、J3降格のリスクだけがある。そんな状況の中では、選手たちの頑張りも報われない」とほぞをかむ。

サポーターの心情も波打つ。13年間にわたり水戸を応援し続けている北茨城市の中島智広さん(35)は「サポーターは皆、J1への昇格を夢見ている。この先、6位以内に入ってもプレーオフにすら出られないという事態は避けてほしい」と訴える。

水戸市の高橋靖市長は「いい成績を残すためには、J1への目標を抱きながら選手が試合に臨むことが必要。サポーターの要望も理解している。課題解決に向けて努力していきたい」と話した。 (前島智仁)

★J1への昇格
J2のリーグ戦で、年間順位が1、2位となったチームは自動的に、3~6位のチームはプレーオフで勝ち上がったチームが、それぞれJ1に昇格できる。ただ、昇格のためには、Jリーグのクラブライセンス制度に基づき交付される「J1ライセンス」の取得が条件となる。経営状況やスタジアム入場可能人数などの条件を満たすことが求められ、現在のJ2では全22チーム中、水戸、町田、讃岐の3チームがJ1ライセンスの交付を受けていない。

茨城新聞社

最終更新:5/9(火) 12:12

茨城新聞クロスアイ