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地方自治体ごとの所得格差、給与所得で年々拡大。富が一部の人に集中

THE PAGE 5/11(木) 8:00配信

 人は住む場所によって所得が変わるといわれていますが、地方自治体ごとの平均所得の格差が拡大しています。もっとも所得が高い自治体と低い自治体とでは5倍以上の差がついています。

 総務省が発表した2016年度「市町村税課税状況等の調(しらべ))」によると、住民1人当たりの課税対象所得がもっとも高かったのは東京都港区で1111万円、2位は千代田区の916万円、3位は渋谷区で772万円でした。もっとも所得が低かった自治体と比較すると港区の住民は5.6倍の収入がある計算になります。2015年の格差は5.2倍でしたから格差は拡大していると解釈することもできますが、2014年は6.5倍と極めて高い状況でしたから、格差がどの程度になるのかは年によって大きなバラつきがあるといえます。

 自治体ごとの格差においてバラつきが発生するのは所得と株価に密接な関係があるからです。課税対象所得には株式の売却益や配当なども含まれます。株式投資を行っているのは高額所得者に偏っているため、港区の住民は株価が上昇すると、所得も急上昇する傾向が顕著となっているわけです。アベノミクス相場がスタートする前の港区民の所得は943万円しかなく、もっとも低い自治体との格差は4.9倍でした。つまりアベノミクスによる株高が格差を拡大させたことになるでしょう。

 では株価とはあまり関係しない給与所得だけを対象にした場合にはどうなるでしょうか。所得1位となったのはやはり港区で893万円で、もっとも所得が低い自治体との格差は4.5倍となっています。給与所得に絞った場合の格差は2010年は4.2倍、2014年は4.3倍、2015年は4.4倍でしたから、こちらは着々と格差が拡大しています。

 整理すると、給与所得の地域格差は年々拡大しており、高い給与所得を得ている人は、その所得を株式投資などに回してさらに所得を拡大させていることが分かります。特に株価が上昇した年には格差が急拡大するというメカニズムが働いているわけです。

 また富が一部の人に集中する傾向も顕著であるといってよいでしょう。1位だった港区の住民は2位の千代田区の住民よりも195万円も多く稼いでいますが、千代田区の住民は3位の渋谷区の住民より144万円多いだけです。同じ東京23区で比較すると足立区は335万円しかありませんから、港区民のリッチぶりは際立っています。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/17(水) 6:09

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