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太陽光だけで成層圏まで有人飛行、初フライトに成功

スマートジャパン 5/9(火) 9:10配信

 太陽光発電のエネルギーだけで駆動する有人飛行機を利用し、成層圏を目指すーー。成功すれば世界初となるユニークなプロジェクトがスイスで進行中だ。

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 プロジェクト名は「SolarStratos(ソーラー・ストラトス)」。スイスの冒険家であるRaphael Domjan(ラファエル・ドムヤン)氏が2016年12月に発表したもので、太陽光だけで飛ぶ有人飛行機で高度2万5000mの成層圏に到達するのが目標だ。2017年5月5日(現地時間)に、プロジェクト実現への第一歩となる試験飛行に成功した。

 ソーラー・ストラトスは全長8.5m、翼長24.9m、重量450kg、2人乗りのプロペラ機で成層圏を目指す。主翼や尾翼には合計22m2の太陽光パネルを搭載している。変換効率は22~24%で、発電した電力は容量20kWh(キロワット時)のリチウムイオン電池に蓄電する。この電力でプロペラを回転させて飛行する仕組みだ。

 初のテスト飛行では、高度約300メートルを約7分間飛行することができた。2018年に成層圏への飛行を行う計画だ。成層圏を目指す際のフライト時間は、約5時間程度を想定する。これは成層圏に到達するまでに2時間、降下するのに3時間という見積もりだ。

 ソーラー・ストラトスが目指す高度2万5000mの成層圏は、気温はマイナス70℃、気圧は地上の20分の1程度と過酷な環境だ。しかし機体内部は軽量化のために加圧などは行わない。そこでパイロットは専用の宇宙服を着て飛行する。そしてこの宇宙服に必要なシステムのエネルギーもすべて太陽光発電で賄うという徹底したクリーンエネルギー・プロジェクトとなっている。なお、パイロットは宇宙服を装備するため、飛行機から降りてパラシュートを利用することはできないとしている。

「ソーラー・インパルス」の成功に続けるか

 太陽光発電で駆動する有人飛行機を利用したプロジェクトとしては、「Solar Impulse(ソーラー・インパルス)」がある。こちらもソーラー・ストラトスと同じく、スイス発のプロジェクトだ。

 ソーラー・インパルスは2003年のプロジェクト発足から約13年後となる2016年7月に、2代目の航空機「Solar Impulse2」で世界一周を実現。2015年3月から飛行エリアを区切りながらフライトを行い、アラブ首長国連邦のアブダビを終着点として2016年7月に世界一周を達成した。

 ソーラー・インパルスは目標達成、プロジェクトの創設メンバーらがクリーンエネルギーの啓もうを促すイニシアチブ「World Alliance for Efficient Solutions」や、電動飛行機を実現するための航空技術の研究開発に取り組む「H55」などを立ち上げている。

 今回初フライト成功したソーラー・ストラトスは、ソーラー・インパルスに続くスイス発のクリーンエネルギー・プロジェクトとして期待がかかる。なお、ソーラー・ストラトスの発起人であるドムヤン氏は、太陽光だけで駆動する船「Planet Solar」による世界一周航行を目指すプロジェクトを2012年に達成した実績がある。

最終更新:5/9(火) 9:10

スマートジャパン