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日本で大人気の「毎月分配型投信」に金融庁がダメ出しで投信の販売が急減?

THE PAGE 5/10(水) 8:50配信

 このところ投資信託の販売が急激に落ち込んでいます。株価の上昇が一服していることが主な要因ですが、それだけが原因ではなさそうです。背景には「顧客本位」を強く打ち出すようになった金融庁の強い姿勢があるといわれています。

 2016年の投資信託の新規設定本数は595本と前年比で16%も減少しました。一方で償還される投資信託の数は378本とこちらは前年比で40%も増加しています。新しく設定される投信の数が減り、償還される投信が増えているわけですから、市場は縮小傾向ということになります。

 このところ株価の上値が重い状況が続いていましたし、2013年に新規設定された投信は890本に達していましたから、販売本数の低迷はその反動ともいえます。

 しかしそれ以上に大きいのが金融庁の姿勢の変化といわれています。現在、金融庁の長官を務める森信親氏は異色の官僚といわれており、長官に就任すると、いきなり「顧客本位」の金融行政を打ち出し、顧客のためにならない商品を提供する金融機関に対して厳しい姿勢で臨むようになりました。このため金融機関がいくつかの商品の積極的な販売を自粛しているともいわれています。

 森氏は直接、言及してはいませんが、ターゲットになっているのは毎月分配型の投資信託といわれています。毎月分配型の投資信託は、収益の一部を毎月分配するタイプの投資信託で、少しずつでも毎月お金が振り込まれるという「安心感」がウケて、大ヒット商品となっていました。

 しかし、運用先から得られる本当の収益は、最低でも四半期に一度、長いものでは1年に一度の頻度しかありません。つまり利益を分配しているように見えて、実は自分が振り込んだお金がただ返ってきているだけの状態に近いものでした。

 しかも分配してしまった資金は再投資できませんから、一般論として毎月分配型の商品は投資家にとって不利な商品ということになります。このようなタイプの商品が大ヒットしているのは日本だけであり、極めて特殊な環境といえます。ただ、今回の金融庁の対応により、これらの投信の解約が相次ぐようなことがあれば、値下がりするリスクもあるかもしれません。

 森氏の主張は100%正しく、毎月分配型の商品は投資家のためになっていません。しかし、日本では毎月分配型の商品に対する絶大な支持があり、毎月分配型でなければ買わないという投資家も大勢います。損だと頭では分かっていても「安心」を重視したいという顧客に対して、どのような商品を提供するのが正しい姿なのか、難しい問題といってよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/16(火) 6:09

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