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「ボーナス満足度」最低はゴールドマン 大手投資銀行、従業員の半数が「額に不満」

5/9(火) 17:10配信

ZUU online

2017年のボーナス額に対する大手投資銀行員の満足度調査が実施され、対象となった全12行で、満足度より不満度の方が高いという結果となった。

依然として高所得が狙える金融産業だが、リストラの恐怖、過酷な勤務、規制改革、社会からのバッシングなど、「年々ストレスを増す銀行員という職業の、割に合わない」といったところだろうか。

■大手投資銀行員のボーナス額に対する満足度・不満足度

ゴールドマン・サックス 満足度16%、不満度46%
シティーグループ 19%、47%
クレディスイス 20%、52%
バンカメ 20%、44%
HSBC 21%、47%
ソシエテ・ジェネラル 23%、47%
UBS 24%、45%
モルガン・スタンレー 25%、39%
ドイツ銀行 25%、61%
バークレイズ銀行 26%、42%
RBS  27%、33%
JPモルガン 28%、30%

■多くの投資銀行で不満度がほぼ半数 米の年収は欧州より高め

この調査は所得データサイト「Emolument.com」が、ロンドンの大手投資銀行に勤務する1640人のバンカーのボーナスと満足度を調査したもの。

最も満足度が高いJPモルガン・チェースは、満足度(28%)と不満度(30%)の差がほとんど開いていないが、最も満足度の低いゴールドマン・サックスでは、不満度(46%)が満足度(16%)のほぼ3倍に膨れあがっている。

総体的には、最も不満度が高いドイツ銀行(61%)を筆頭に、多くの銀行で不満度がほぼ半数、あるいはそれを上回っている。

2017年の大手投資銀行の年収(月収・ボーナス)は、地域や社内の地位によって大きく異なる。英国のアナリストの年収中央値は5万5000ポンド(約802万円)。ほかの欧州は5万7000ポンド(約831万円)、米国は7万8000ポンド(約1138万円)であることを考慮すると、「金融都市ロンドン」という名に若干の疑問がわく。

ディレクタークラスになると28万5000ポンド(約4157万円)とほかの欧州よりは年収は多くなるものの、32万9000ポンド(約4799万円)が中央値という米国の足元にはおよばない。

■従業員が納得できる透明性の高い報酬方針が必要?

この差は各地域の報酬構造に起因するようだ。米投資銀行は優秀な人材確保の手段として、報酬面でインセンティブの要素を重視する傾向が強い。そのため同じヴァイス・プレジデントの年収でも、米国ではボーナスの割合中央値が42%であるのに対し、英国は33%にとどまる。

ボーナス額は企業の業績を反映するものではあるが、支給金額そのものが従業員の満足度・不満度を直接決定づける要素ではないようだ。

例えば昨年、大規模な組織改革で試練の時を迎えたRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)などは、相対的なボーナス支給額が減少したにもかかわらず、対照的に順調な業績の伸びを見せたゴールドマンなどよりも、満足度が高く不満度が低い。

この点に関しては、「支給されたボーナス額に従業員が納得できるような、透明性の高い報酬方針が必要」との意見もでている。金融産業が高所得を狙える場であるという事実は長年にわたり変わりなしだが、規制の強化や世界・経済情勢の変化など、投資銀行員が周辺環境から受けるストレスや圧力は年々増している。

「それに見合うだけの報酬ではない」という投資銀行員の心情が、調査結果に反映されているということだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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最終更新:5/10(水) 9:33
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