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小規模茶園整備に本腰 意欲ある農家後押し 島田市と静岡県

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 5/9(火) 8:51配信

 島田市と静岡県は意欲ある茶農家を後押ししようと小規模茶園の基盤整備に本腰を入れ始めた。モデル地区と位置付けた同市金谷西原地区の若手生産者グループと連携し、新たな手法で約5ヘクタールの整備をほぼ完了した。市、県関係者は「西原地区の例を参考に、他地域でも生産者に有利な条件を提案したい」と話す。

 茶園の基盤整備は、モザイク状に入り組んだ複数の地権者が絡む茶畑を区画整理し、乗用型の機械を使いやすくしたり、規模を拡大したりして生産性を高めるのが狙い。

 茶価の低迷が続く中で整備の必要に迫られる生産者は多いが、20ヘクタール未満の小規模農地では基盤整備に対する行政の補助率は低く、生産者の負担が重いのが現状という。多くの生産者は必要性を認識しながらも整備着手に二の足を踏んでいる。

 市農林課や県志太榛原農林事務所は、発起人となった同地区の若手4人との意見交換を通じ、さまざまな補助事業の中から地元負担率を最も軽減できる整備手法を探ってきた。

 今回は市と県がそれぞれ事業主体となり、二つの事業を組み合わせた。市は国から区画整理費用の2分の1の助成を受けられる事業を活用。県は国から2分の1の助成を受けて排水施設や農道などを整備した。市や県もそれぞれ負担し、地元負担を全体の事業費の10%に抑えたという。

 小規模農地をターゲットに基盤整備を進めれば、地権者の合意形成が比較的スピーディーに進み、耕作放棄地化の未然防止にもつながる。市や県は今後も各地域の特徴や要望に合った手法をコーディネートする方針で、「意欲ある生産者を積極的に支援して茶園の集積を進め、生産性向上や経営改善に結び付けたい」と強調する。



 ■若い担い手が奔走

 島田市金谷西原地区の茶園基盤整備について、市農林課は「茶園を次代につなごうという担い手たちの強い思いがあったからこそできた」と説明する。

 基盤整備の構想は、地権者の井村典生さん(40)ら若手4人が市に相談したことから始まった。井村さんらは2012年夏から勉強会を実施。市や県との連携で13年に事業手法が決まると、約30人の地権者間の合意形成に向けて奔走した。会合や戸別訪問を重ね、農家数約30戸を11戸に集約。合意を取り付けるのに約2年を要した。

 農地の整備を2月までにほぼ終え、平らにならした畑にやぶきたなど複数品種の苗を植えた。井村さんは「合意を得るには会合だけではまとまらず、個別に10~30回足を運んだ。生産者仲間や市の担当者などの協力で実現できた」と振り返る。

静岡新聞社

最終更新:5/9(火) 8:51

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS