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大作主流に製作側もジレンマ!?フジテレビ名物プロデューサー、テレビ局の映画製作の今を語る

シネマトゥデイ 5/9(火) 20:32配信

 イタリアで開催された第19回ウディネ・ファーイースト映画祭に『サバイバルファミリー』『帝一の國』『昼顔』の3作品で参加したフジテレビ映画事業部の臼井裕詞氏が、現地でトークイベントを行い、テレビ局における映画製作の現状について語った。

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 臼井氏は『踊る大捜査線』と『海猿』の両シリーズでプロデューサーを務めたヒットメーカーとして知られる。本映画祭にも『スペーストラベラーズ』(2000)、『海猿』(2004)、『ローレライ』(2005)で参加しており、今回が4度目12年ぶりの現地入りとなった。

 昨年の同事業部は日本映画興行収入ベスト10内に『ONE PIECE FILM GOLD』(5位、51.8億円)、『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』(6位、46.1億円)、『暗殺教室~卒業編~』(8位、35.2億円)の3作を送り込むなど好調ぶりがうかがえる。ただ映画界の国内市場全体は2000年以降ほぼ横ばいとなっていることもあり、臼井氏は「映画を発展させて行くために積極的に海外プロモーションをしようと思っている」と海外映画祭を活用しているという。

 司会を務めた映画評論家のマーク・シリングからヒットの秘訣を問われた臼井氏は「テレビの視聴者が40~50代と年齢が高くなっている今、逆に映画で若者たちを取り込もうと考えています。なので10代や20代に向けた映画をつくっているのですが、その人たちが劇場に足を運びヒットに繋がっているのではないか」と持論を語った。するとシリングから「大ヒットを狙うあまり、今の日本映画は大手映画会社が作る大作か、そこまで行き着かず自主制作による低予算映画化のいずれかになってしまい、中規模の予算の良質な作品がつくりづらくなっている現状があるのではないか?」という指摘があった。

 臼井氏も「日本では、例えば10作品のうち1つの作品が当たると観客がそこに集中して、残りの9作品はビジネスとして失敗する傾向がある。なので、その1つになりたいと思うあまり宣伝費用をかければかけるほど、当然ビジネスリスクも上がるので、ますます(製作側も)大きな作品で勝負しようとなる」と結果的に大作にならざるを得ない状況を説明した。続けて「マークさんがおっしゃる通り中間規模の作品がなくなることで、企画やキャスティングなどクリエイティブな選択がどんどん狭まって作品がつくりづらくなっており、CGやVFXを使用した大きな企画の方が通りやすくなっている。普通の家族の話やラブストーリーが少なくなっているのは、プロデューサーとしても心配しています」と製作者側としてもジレンマがあることを明かした。

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最終更新:5/9(火) 20:32

シネマトゥデイ