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格安SIMでもたくさん通話したい! MVNOの通話定額オプションを整理する

5/9(火) 12:01配信

ITmedia Mobile

 MVNO、いわゆる格安スマホや格安SIMを使って通話を思う存分したい! と思う人は多いだろう。大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)であれば通話定額があるから、通話がし放題だ。しかしMVNOの多くは基本の料金プランで通話は30秒20円(税別、以下同)の従量制となっている。話せば話すほど通話料がかかるので、頻繁に通話をする、また長電話をする人にはMVNOは向かないといわれていた。

【24時間かけ放題のサービス】

 しかし2016年から多くのMVNOが通話料金にも力を入れオプションを充実させている。条件があるものの月額料金を支払えば「~分かけ放題」「通話し放題」となる。MVNOでも頻繁に通話ができるのだ。ただしMVNOのかけ放題オプションは大手キャリアよりも内容が複雑だ。

 まず大手キャリアの通話定額をおさらいすると、そもそもオプションで追加するのではなく、現在は基本プランそのものが通話定額となっている。ドコモなら「カケホーダイ」、auは「カケホ」、ソフトバンクには「スマホ放題」がある。国内の通話であれば、相手が他社のスマホ、固定電話でも、長電話しても定額。料金も横並びで月2700円。

 さらに1回5分まで、という制限はあるが何度も電話をかけられる基本プランもある。ドコモなら「カケホーダイライト」、auは「スーパーカケホ」、ソフトバンクは「スマホ放題ライト」がそれだ。これまた横並びで月1700円だが、通話が5分超過した場合は30秒20円の従量課金となる。

 さらにauとソフトバンクには1~21時に‟同じキャリア同士”なら通話無料の旧来型プランもあるが、これは相手先がかなり限定される。

 また、大手キャリアのいずれの基本プランも、さらにパケット定額やインターネット接続料の料金が必要なので、通信料は合計で毎月5000円近くになる。MVNOと比べると料金は高いが、契約してしまえばいつも通りの通話がそのまま‟かけ放題”になるので、難しい操作は必要ない。

●MVNOでは‟オプション”の通話定額サービスが多い

 MVNOでは基本プランに通話定額を採用していることは少なく、ほとんどがオプションとして追加する形だ。通話をかけ放題にするには専用アプリが必要になるケースも多く、大手キャリアより若干手間がかかる。

 最も多い通話定額のタイプが「プレフィックス」方式。電話をかける際に相手の電話番号の前に特定の番号を付加することで、安価な通話回線を利用して割安な通話が可能になる。そのため通話定額以外であっても、多くが通話料は30秒10円と安いのだ。

 プレフィックス方式の通話定額は、各MVNOが用意している専用アプリを使うことで、通話時に自動的に特定の番号が付加され、相手に特定の番号は表示されないので、ユーザーはさほど“特定の番号”を意識する必要がない。ただし特定の電話番号を手動で付加しない場合、毎回アプリから通話する必要があるので、プリインストールされている通話アプリを使うと、もともとの通話料が発生するので注意したい。

 さらに110番119番といった緊急番号、3桁番号、0120、0800、0570などのフリーダイヤル、ナビダイヤルへは発信できない。もちろん通常の電話回線では発信できるが、状況によって専用、プリインの通話アプリを使い分ける必要があるのはちょっと不便だ。

●1回1分、3分のかけ放題サービスが向いている人は?

 かけ放題の内容は「1回1分まで」~「1回120分まで」とさまざま。「無料通話分」で一定まで定額するオプションもある。まずは主なMVNOの1回1分、1回3分までの通話定額と、無料通話分のあるオプションを比較する。

 「FREETEL SIM」の「だれでもカケホーダイ」はとても特殊で、FREETEL以外のスマホ、大手キャリア、MVNOでも、音声通話付きSIMであれば誰でも利用できる。「どんなスマホのオプションにもできる」と思えばいい。かけ放題は1分、5分、10分の3種類あり、最安は月額299円の1分かけ放題。

 「U-mobile」と「b-mobile」はどちらも月額500円で「1回3分まで」かけ放題。ただしどちらも1日50回までという条件がある。

 「IIJmio」と「BIGLOBE SIM」は月額料金が少し高いが、「1回3分まで」なら何度も電話をかけられる。特にIIJmioは家族(mioIDが同じ)となら「1回10分まで」に通話時間が延びるのでお得だ。さらにIIJmioも料金別にかけ放題があり、後述する。

 またBIGLOBE SIMとU-mobileには無料通話分があるオプションを用意している。毎月60分までは月額650円か800円で電話をかけられる。60分以上になると従量課金だ。

 これら短めのかけ放題は、話し好きには向かない。特に無料通話分を使用するU-mobileのオプションは、通話頻度もさほど多くない人向け。電話はあまり使わないが、たまに長電話があるくらいの人に向いている。

 毎回の会話は短いが、電話をかける頻度自体は多い、という人にも1分、3分の通話定額は適している。特に「1回1分まで」の通話の場合、無駄話や世間話の余裕はなく、時候のあいさつですら含めると本題を伝える時間がない。となると親しい間柄で気軽に会話を行う、例えば毎日「家族の送り迎えで連絡する」「帰るコールをする」といった時に使えるだろう。

 「1回3分まで」なら、多少形式ばったあいさつが入ってもよい。とはいえダラダラと話し続けることはできない。短く要点を絞って話すことが求められるビジネスシーン向きだろう。ただし相手が話好き、くどい人だとこちらの想定以上に会話が延びる可能性も。ある程度相手のことを知っている「同じ会社の同僚、先輩、上司と話すことが多い」人に良さそう。

 こう考えていくと、短めのかけ放題では、相手の反応も予想できるため、テンプレートのような会話が多そうだ。

 ちなみに、総務省が発表している「平成27年度 通信量からみた我が国の音声通信利用状況」の7ページ目には、平成27年度(2015年度)の携帯電話1契約1日当たりの通信回数と通信時間が記載されており、1日当たり0.9回、平均通信時間は2分35秒とのこと。

 この数字を参考にするのなら、誰と会話をするとしても多くの人は1回3分まで通話ができれば問題ないのかもしれない。

●MVNOで最も多い通話定額は「5分かけ放題」

 プレフィックス方式の通話定額オプションで最も多いのは「1回5分まで」のかけ放題だ。月額料金は800~850円と前述の1回1分、3分までより高いが、どのMVNOも何度でも電話をかけられる。

 最安は「nuroモバイル」の月額800円。しかもnuroモバイルの場合、月ごとに付け外しができるので、通話が多い月だけオプションを追加する、という使い方が可能だ。

 1回5分までの通話は前述の総務省のデータを参考にすれば長過ぎるが、常に平均的な通話になるとは限らない。ときに話が長引くこともあるだろう。そんな予想ができない会話が多い人に向いている。

 そう考えるとビジネスにしてもプライベートにしても、さまざまな人と話す機会が多いのなら、1回5分までの通話定額が最適といえる。

●1回10分まではIIJmioが最安

 これまでは通話が短い人向けだったが、プレフィックス方式には長電話の人向けのオプションもある。「1回10分まで」の通話定額が5社、「1回120分まで」という2時間も話せるオプションも1社から提供されているのだ。

 「IIJmio」「J-mobile」「OCN モバイル ONE」「スマモバ」では、月額850円で「1回10分まで」かけ放題となる。前述したように「1回5分まで」でも月額850円のオプションがあるので、単純に通話の長さを考えたら、これら4社の方が得だ。最安はIIJmioの月額830円。当初は5分定額だったが、5月1日から10分定額に改定された。しかも家族(mioIDが同じ)となら30分かけ放題に延びるのがうれしい。

 一方、FREETELの10分かけ放題は月額1499円。3社に比べ高く選びにくいが、スマホ本体や通信料を全て含んだ「コミコミプラン」に10分かけ放題を含めているので、そちらを選ぶ手もある(後述)。

 J-mobileでは「1回120分まで」という長電話ユーザーを意識したオプション「Jmoba Premiumかけ放題」も月額1980円で提供している。毎月最大300回までだが使い切る方が難しそう。ただし301回以降は通話料が1分30円となり、従量課金がやや高いのと、初期費用で800円が別途必要だ。

 これら通話が長い人向けのうち、1回10分までなら、テンプレの会話になりやすい業務報告よりも、先が読めない「相談」向き。何かと相談事が多いビジネスパーソンに良いのでは。またたとえ無駄話でも「友人や恋人との会話」にも向いている。10分以上の通話になりそうなときは「直接会う」ことに切り替える、身近な人との会話向けだ。

 ただし1回120分までとなると、これは使い方が大きく異なる。非常に親しい相手と「会えない」ゆえに、電話では長い会話になる、と考えたい。遠くの家族、親友との通話、遠距離恋愛で相手と毎晩たっぷり話したい人に向いているだろう。ただし国際電話は対象外なので注意したい。

●これが最強! 24時間定額で通話ができるオプション

 さらに1回何分と制限があるのではなく、24時間いくらでも話せる通話定額も2社から提供されている。「もしもシークス」の「かけたい放題フル」(月額1800円)と、「楽天モバイル」の「楽天でんわ かけ放題」(月額2380円)だ。特定の番号を付加するプレフィックスとはいえ、大手キャリアの通話定額のようにどんな長電話でも安心、頻繁な通話でもOKというまさに最強のオプションだ。

 ただし全くの無制限というわけではない。例えばもしもシークスでは「不正利用防止のため1日50回以上、連続60分同一相手との通話を行うと停止する場合がある」という。

 また「楽天モバイル」でも具体的な回数や時間は非公開だが、約款において楽天モバイルの業務の遂行や電気通信設備に支障を及ぼさないよう、従量制の切り替えや利用停止がある、としている。ただ、これらの注意事項はあくまで不正、プログラミングで自動発信するような利用方法を規制するためのもので、ほとんどの人には関係ないだろう。

 24時間定額は、これまでMVNOではもしもシークスのみが提供していたが、4月24日に楽天モバイルも開始。ただし月額料金ではもしもシークスが安い。先ほどのJ-mobileの120分かけ放題よりも安いのだ。ただしこの比較はオプションの料金だけ。契約する基本プラン、組み合わせるデータ容量も各MVNOで違うため、トータルで安いとは限らない。詳しくは別途述べる。

 次に取り上げるIP電話方式でも通話定額は用意されているが、IP電話はデータ容量の消費、通話品質に不安がある。「頻繁に長電話をする」または「長電話になるかどうか分からないが頻繁に電話をする」、そんなヘビーな電話ユーザーに最も安心なMVNOの通話定額は、プレフィックス方式の通話定額だろう。

●IP電話の通話定額は「050」の番号が持てるが、データ容量の消費に注意

 プレフィックス方式と違うタイプの通話定額として「IP電話」方式もある。インターネットを活用した「050」の電話番号で行う通話だ。

 090や080の電話番号とは別に050から始まる電話番号が1つ用意される。利用には専用アプリが必要だ。電話回線を使わないため、通話品質に不安があるものの、インターネットで通話を行うため、データ通信だけのSIMで利用できる場合もある。

 ただしデータ通信を行うのでデータ容量が消費されてしまう。110番、119番などの緊急番号、フリーダイヤルの一部など、一部番号へは発信できない(音声SIMなら通常の電話回線で発信する)のもデメリットだ。

 現在、IP電話方式の通話定額オプションを提供しているのは、「NifMo」「イオンモバイル」「TONE」だ。

 NifMoでは音声SIMのみのオプションだが、月額1300円で24時間通話し放題。何時間でも(連続90分で一度終了するが)通話が可能だ。プレフィックス、IP電話も含めて24時間通話定額のオプションでは最安となる。

 ただし音声SIMとの契約が必要なので、トータルで見ると音声プラン700円+データ通信プラン(3GB)900円+オプション1300円で合計2900円となる。なおNifMoには他にも海外とも通話定額が可能な「国内+海外かけ放題」(月額2700円)というオプションもある。

 イオンモバイルはプレフィックス方式も採用しているが、IP電話方式では24時間定額で月額1500円。NifMoより高いものの通話の連続時間は連続300分まで(一度終了、再度かけることは可能)。しかもイオンモバイルはデータ通信のSIMでも契約できるため、トータルで見るとデータ1GBプラン480円+オプション1500円の合計1980円からかけ放題が可能。ただし加入時に登録料1000円が必要だ。

 また既に述べた通り、NifMoとイオンモバイルではモバイル回線でIP電話の通話をすると、データ容量を消費する。1分間250KB、1時間15MBが目安。例えばデータ容量1GBを全て通話に使うのであれば約68時間分、1日2時間の長電話が可能だ。しかし実際は他の操作、アプリでもデータ容量を消費するので、通話時間はもっと短くなる。ただ、Wi-Fi経由ならモバイル回線のデータ容量は消費しないので、Wi-Fi環境のある場所(自宅など)での通話が大半なら問題ない。

 イオンモバイルの場合、IP電話で必要な通信速度は上下約20kbpsとされているので、IP電話を使うときは、低速通信に切り替えても良さそうだ。

 TONEの場合、基本プラン(月額1000円)に050のIP電話が含まれているため、オプションを付けなくてもTONEのユーザー同士は24時間無料で通話が可能だ。月額500円(キャンペーン時、通常は700円)のオプションを追加すると、他社の携帯電話、固定電話へも1回10分まではかけ放題だ。IP電話で不利とされる通話品質も独自の技術でクリアとしている。

 さらにTONEは通信容量が無制限(通信速度は500~600kbps程度とされている)なので、データ容量の消費も気にする必要はない。ただしTONE専用のスマホ「TONE m15」のユーザーのみが対象。また緊急通報等は別途090音声オプションの追加が必要だ(月額953円)。通話品質に自信があること、通話定額は1回10分までであることを考えて、プレフィックス方式の1回10分までと同じく「相談」「身近な人との会話」向きといえそうだ。

●アプリは不要 通常の電話回線を使った通話定額

 プレフィックス、IP電話と2方式の通話定額を紹介したが、大手キャリアと同じく通常の電話回線を使い、通話定額のオプションサービスを提供しているMVNOもある。

 このタイプはキャリアの通話定額と同じく、アプリを使わずに、いつもの通話でそのまま通話定額となる。アプリのインストールは不要、番号を付与する必要も、新たな電話番号を取得する必要もない。いつもの電話番号のまま、いつものかけ方で定額になる。通話品質は当然キャリアと同じで、緊急通報もそのまま可能。最も安心かつ手軽な手段といえる。

 データ通信専用SIMとの組み合わせは不可で、定額の時間を超過すると通話料は20円/30秒となる。また通話定額の内容は各社異なり、「1回1分まで」「1回5分まで」「無料通話分」の3タイプになる。

 スマモバの「スマート通話定額60」は1回1分まで。さらに1日50回までだが月額398円と、オプションではFREETELのプレフィックス方式(月額299円~)に次いで安い。なおスマモバもアプリの「スマートコール」を利用すればプレフィックス方式を使え、時間超過後の通話料が16円/30秒と少し安くなる。

 1回5分までの通話定額はDTI SIMとJ:COM MOBILEが提供している。DTI SIMの方が70円安く、音声SIMとの契約があればよい。J:COM MOBILEではスマホセットで契約したユーザーのみが申し込める。

 mineoには「通話定額30」と「通話定額60」というオプションがあり、無料通話分が30分か60分を選べる。ただし同じように無料通話分のあったU-mobileのプレフィックス方式(60分800円)よりも高い。音声通話のあるデュアルタイプと契約している場合、申し込みが可能だ。

 なお、オプションサービスではないのでここには含めていないが、次ページで取り上げているUQ mobileとY!mobileの通話定額も、キャリア回線を使用している。

●オプションではなく、料金プランに通話定額が含まれる場合も

 ここまではMVNOの基本プランに契約し、通話定額のオプションを追加することを想定して紹介したが、大手キャリアのように、最初から基本プランに通話定額が含まれている場合もある。専用アプリを使いたくない、別途オプションに申し込むのが面倒という人に向いている。

 FREETELでは月額基本料(音声通話+データ通信)、スマホの本体代、オプションの10分かけ放題(プレフィックス)を含めた「スマートコミコミ+」プランを提供している。データプランや購入するスマホにより月額料金は異なるが、全ての料金を含めて最安で月額999円から。それで1回10分まで何度でも通話ができるのは破格の安さに思える。ただし36カ月の長期契約となる。

 FREETELのこのプランは組み合わせ、使い方次第で安く通話定額が利用できるものの、スマホやデータプランの検討材料が非常に多いため、最適なプランを見つけるのが大変だ。料金プランの検討が好きな人、MVNOに慣れたベテラン向けに思える。

 楽天モバイルでは月額基本料(音声通話+データ通信)、スマホの本体代、オプションの5分かけ放題(プレフィックス)を含めた「コミコミプラン」がある。最安は月額1880円(1年目)から。プランにより選べるスマホが違い、月間データ容量は2GBか4GB。FREETELよりも通話定額の時間が短いものの、比較的分かりやすく、選べるスマホも有名メーカーの機種が多い。

 楽天モバイルのプランでは、選べるデータ通信、スマホが絞られているので、選びやすい。「サクッとスマホも通話定額も決めたい」人向けといえる。ただしFREETELと比べて分かりやすいぶん選択肢が少ないのが難点だ。

 UQ mobileでは月額基本料(音声通話+データ通信)に1回5分までの通話定額「おしゃべりプラン」や毎月60分~の無料通話分「ぴったりプラン」を組み合わせる。

 これらのプランにはS、M、Lとあり、月額料金が高くなるほどデータ容量と無料通話分が増える。今回は安いプランを掲載している。おしゃべりプランとぴったりプランは毎月切り替え可能なので、電話をかける頻度が毎月変わる人には最適といえる。

 Y!mobileにもUQ mobileと同じように月額基本料(音声通話+データ通信)に1回10分までの通話定額を含む3つのプランがある。UQ mobileと月額料金は同じだが、通話定額の時間が長い点は有利だ。ただしY!mobileでは無料通話分のあるプランは提供していない。

 UQ mobileとY!mobileは通常の電話回線を使った通話定額なので、「通話品質が安定」「専用アプリは不要」「特別な操作も不要」「緊急通報可能」とメリットが分かりやすい。月額料金は高めだが「大手の安心」が欲しい人に最適だ。

 次回は通話定額オプションを含めたトータルコストが特に安いサービスを比較する。

最終更新:5/9(火) 12:01
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