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“便利だけどちょっとコワい”Googleのサービスに、ささやかな抵抗を試みる

5/9(火) 16:29配信

ITmedia エンタープライズ

 ずいぶん前に取り上げた「Googleロケーション履歴」(記事1、記事2参照)。この機能はAndroidのGPS情報などから、あなたが(正確にはあなたのスマートフォンが)いつ、どこにいたのかを記録し続けるというものです。

【画像】驚くほど正確なGoogleロケーション履歴のタイムライン

 最初にこの機能を知ったときには、記録内容がかなりセンシティブなところまで及んでいることに驚きましたが、過去を振り返る上では便利であり、今では“自動で記録してくれる日記のようなもの”という認識でいます。ただ、内容が内容だけに、不安な人はGoogleが用意している2要素認証などの仕組みを使って、情報を保護すべきでしょう(いや、不安な方だけでなく、全員に2要素認証をお勧めしますよ)。

●いつの間にかiOSでもロケーション履歴が利用可能に?

 驚いたのは、いつの間にかiOSでもこのロケーション履歴が完璧に取得されていたことです。2014年1月に記事を書いたときは、Android OS向けの機能を使っており、当時、この機能はiOSに対応していなかったように記憶しています。

 その後、iOSに戻った私は、この機能が使えなくなったことを残念に思いながらも、少しほっとしていたのですが、どうやらiOSのGoogleアプリやGoogle Mapアプリが定期的に位置情報を送信し、ロケーション履歴を保存するようになったみたいです。単に気が付かなかっただけかもしれませんが……。

 ロケーション履歴って何? という人は、あなたのスマートフォンでGoogleマップのアプリを実行し、左上のメニューから「タイムライン」をタップしてみてください。知らない人はその記録の詳しさに驚くと思います。

 タイムラインの情報はもちろんオフにもできますし、過去の情報を削除することもできます。大事なのは、“自分の情報と引き替えにサービスを使っている”と、分かって使っているかどうか、という点です。

 注目すべきは、そのロケーション履歴にGoogleの他のサービスである「Googleフォト」の写真が連携されていること。日記としてはよりよいサービスになっているのですが、一方でプライバシーの課題がさらに浮き彫りになる可能性があります。

 Googleに保存されている各種の情報が連携すると、個人を特定する情報になりかねないので、「Google怖いかも」と思う人もいるかもしれません。私自身も便利だと思うことに変わりはないですが、“ささやかな抵抗”を試みるころ合いかもしれない、とも思い始めています。

●個人情報を1箇所に集中させない

 “ささやかな抵抗”とは、Googleに全ての情報を押さえさせないこと。Googleは情報を集めていますが、それによる注目――監視の目も集めています。特に個人情報は「利用者が削除を希望したとき、確実に削除されること」が求められます。EU圏では「忘れられる権利」や「一般データ保護規則」(General Data Protection Regulation: GDPR)などでも、個人情報の削除が適切に行われているかが注目されています。ならば、Googleから、“移動できる情報を他のクラウドに移す”ことで、“Googleに全てを渡さない”ようにできるはずです。

 そこで、簡単に移動できる個人情報を別のクラウドサービスに移すことを考えました。Googleマップ(ロケーション履歴)やGoogleフォト、そしてGmailはとても便利なので、これはGoogleに担当してもらうとして、その他の重要な情報である「カレンダー」「Todoリスト」「連絡先」を、他のサービスに移したのです。これで、万が一アカウントが漏れたとしても、サービスが“Evil化”しても、全てをとられないようにできるのではないかと考えたわけです。

 カレンダー情報はいったんiCal形式でエクスポート。連絡先情報はvCard形式でエクスポートし、受け皿としてアップルのiCloudへインポート。そしてGoogle側の情報をきれいに「削除」することにしました。スマートフォンにつながる情報を分割したとしても、スマートフォン側で複数のクラウドサービスを利用できますし、保存先も選択できるので、利用する上でほとんど影響はないはずです。

 このように、クラウドを分割して使うのは、意外と簡単です。ただ、実効性があるかどうかは何とも言いがたく、もしかしたら無意味なのかもしれません(なので、あくまで“ささやかな抵抗”なのです)。

 もはやiOSやAndroid、Windowsなどを利用する上で、クラウドサービスの利用は避けて通れません。これらの機能はとても便利ですが、「それと引き替えに情報が取得されている」ことは、もっと知られてもいいと思うのです。この点は、サービスを提供するベンダー側も強調すべきでしょう。それを承知の上で、サービスが便利だと思う人は使えばいいのですから。

 この仕組みにプライバシー上の恐怖を覚えた人は、ささやかでもいいので対策を打ってみてはいかがでしょうか。

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