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SUBARU、17年3月期営業益27%減 今期も積極投資は継続

5/9(火) 21:07配信

ITmedia ビジネスオンライン

 SUBARUが5月9日発表した2017年3月期連結営業利益は、前期比27.4%減の4108億円だった。米国や日本で新型車などが好調で、世界販売台数は初めて100万台を突破。一方、米国の販売費増加や円高の影響により、大幅に利益を減らした。18年3月期も販売台数は増える見通しだが、利益率が低い車種の増加や販売費の負担を織り込み、営業利益は横ばいを見込む。

【SUBARUの吉永泰之社長】

●初の100万台超え

 17年3月期の売上高は2.9%増の3兆3259億円。販売台数は日本で9.4%増、米国では14.6%増となり、世界販売台数は11.1%増の106万5000台だった。日本では新型「インプレッサ」、米国では「レガシィ」「アウトバック」などが好調に推移した。

 一方、利益確保には苦戦。純利益は35.3%減の2823億円だった。増収効果はあったものの、販売管理費などの経費が増加。米国では金利上昇によって販売店に対するインセンティブ(販売奨励金)が膨らんだ。1台当たりのインセンティブは前期から550ドル増の1450ドルとなり、その要因だけで520億円の減益要因となった。タカタ製エアバッグのリコール関連のクレーム費増加も響いた。また、前期よりも米ドルで12円円高だったことなど、為替の影響で1438億円の減益要因となった。

●インセンティブがさらに増加

 18年3月期は、売上高が前期比2.8%増の3兆4200億円、営業利益は0.2%減の4100億円、純利益は0.9%増の2850億円の見通し。引き続き日本や米国で販売台数を上積み、世界販売台数は3.8%増の110万6000台の計画だ。

 営業利益はほぼ横ばいの見通しだが、「(前期より)為替レートを米ドルで2円円安に見ている。その増益要因を除くと減益になる」(吉永泰之社長)。

 その大きな要因は、販売が増える車種の変化だ。日本や米国で好調な新型インプレッサやスポーツタイプ多目的車(SUV)「フォレスター」の販売が増加する見通しだが、他の車種と比べて価格が低く、高収益を見込めない。一方、レガシィ、アウトバックなど収益性が高い車種の販売は減少する見通し。そのため、販売台数が増えても大幅な増益要因にはならないと見ている。

 引き続き、米国市場の販売環境の厳しさも織り込む。販売台数は順調に伸びているものの、さらなる金利上昇でインセンティブの負担が増加。前期よりさらに400ドル増加し、1台当たり1850ドルに引き上げられると想定。インセンティブだけで301億の減益要因になると見ている。

●とにかく実力をつける

 一方、利益確保が困難な局面でも、将来に向けた設備投資や試験研究費は増やしていく。米国では今期以降、2段階にわたって生産能力を増やす。また、品質向上や電動化に関連する投資も強化する。

 吉永社長は「これまで高い営業利益率を維持できたのは、高価格商品が好調だったり、工場がフル操業であったりと、プラス要素がそろっていたから。本当の意味で利益率の高い会社になるため、やるべきことをやってブランドを磨いていく。(足元の業績の)形を整えることを優先するのではなく、実力を上げていきたい」と方針を語った。