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ボッチャ人気高まる 五輪見据えパラスポーツに力(東京・江戸川区)

福祉新聞 5/9(火) 16:21配信

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、東京都江戸川区(多田正見区長)は障害者(パラ)スポーツの振興に力を入れている。障害者支援事業所などで開いた体験教室を契機に、ボッチャは広く浸透。同区のパラスポーツ熱は高まりを見せている。

 オリンピックでカヌー・スラロームの競技会場に選ばれた同区。パラリンピック競技は行われないが、この機会にパラスポーツを振興しようと、昨年4月にスポーツ振興課に障害者スポーツ係を新設、オリンピック・パラリンピック推進担当課と連携し、啓発、体験教室の実施、障害者スポーツ指導員養成などに取り組んでいる。

 啓発活動の一環として昨秋開いたパラスポーツフェスタには800人が参加。体験教室では、誰でもできるスポーツとしてボッチャの人気が高まり、生活介護などの活動に位置付ける事業所が増えるようになった。

 こうした実績が認められ、パラスポーツの17年度予算は前年度の3倍の1447万円に増えた。また、昨年末には全国で3自治体しかない「オランダ連携プロジェクト」に選ばれ、今後8回程度来日するオランダのパラリンピアンの協力を得てパラスポーツ普及に取り組むことになった。

 「パラリンピックに区がどこまで関われるか分からないが、地域の草の根の活動としてパラスポーツを広げていきたい」と塩田光明・障害者スポーツ係長は話す。

 ■ボッチャ大会を

 区の支援を受けてボッチャ熱が高まっている事業所の一つが、NPO法人ヒーライトねっとの多機能型事業所「アクティビティサポートセンターゆい」(河野文美理事長)だ。 

 「ゆい」は精神障害者を中心に、スポーツや音楽などを取り入れた生活介護や生活訓練などを行ってきた。しかし、フットサルなどのスポーツには車いす使用者などが参加できず、応援するだけだった。

 それがボッチャに出会い大きく変わった。 

 きっかけは昨年12月、ボッチャの良さを知った河野理事長が区に相談したこと。事業所まで説明に来てくれた障害者スポーツ係の職員が会議室に簡易コートを作り、ボッチャを体験させてくれた。「区の職員がアレンジして楽しめる方法を教えてくれた。これまで応援しかできなかった人が参加できるようになり、みんなが笑顔になった」と河野理事長は語る。

 ボッチャは活動プログラムに週2回位置付けられ、休憩時間に利用者が自主的に楽しむようになった。今では「本物のコートでやりたい」「他事業所と試合したい」など大会開催を求める声が上がるまでにボッチャ熱が高まっているという。

 区内全域の事業所とメーリングリストで連絡を取り、必要な情報を素早く事業所に伝えている江戸川区。そんな風通しの良さと信頼関係があればこそ、ボッチャ熱は高まり、パラスポーツ振興につながっているのだろう。

 
 【ボッチャ】
 重度脳性マヒ者などのためにヨーロッパで考案されたスポーツ。目標球と呼ばれる白ボールに赤・青それぞれ6球ずつのボールを転がして、目標球に近づけるかを競う。パラリンピックの正式競技になっており、障害程度により4クラスに分かれる。

最終更新:5/9(火) 16:21

福祉新聞