ここから本文です

《ブラジル》坂本龍一、三宅純が公演=ジャパン・ハウス開館記念で=聖市公園の1万5千人前に

ニッケイ新聞 5/9(火) 5:44配信

 ジャパン・ハウス(JH)開館記念イベント、日本人有名音楽家の坂本龍一と三宅純による野外コンサートが、7日午後6時から聖市イビラプエラ公園内の野外音楽堂で行なわれた。来場者は無料で観ることができ、会場には約1万5千人が集まった。

 客席の最前列に陣取った駐在員、中道浩之(52)さんは「開演の3時間前から待っている」と話し、同僚の坂口・ユリ・ナタリアさん(27、四世)も「三宅さんと共演する聖州立交響楽団の演奏が聞きたくて来た。南米一といわれているので楽しみ」と声を弾ませた。
 公演の冒頭、JHの平田アンジェラ館長が挨拶し、「ジャパン・ハウスは皆さんの家。このコンサートもリラックスして楽しんで」と挨拶した。
 三宅純(59)は、日本国内外の映画や舞台作品の作曲を多く担当。最近ではリオ五輪閉会式で演奏された「君が代」の編曲を担当し、注目を浴びた。今回が初のブラジル公演で、1時間半に渡り、ワールドミュージックが演奏された。
 サルヴァドール出身の歌手ブルーノ・カピナンは中性的な歌声を披露し、ブルガリア音楽の声楽隊は、日が落ちた野外会場に神秘的な雰囲気をかもした。本人はピアノやトランペットの演奏で参加した。

 続く坂本龍一(65)のステージは1時間ほど。70年代に結成された音楽グループでの活動や映画音楽の作曲などで有名。2001年にはアントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲を収録したアルバム『CASA』を発表している。
 本人によるソロのピアノ演奏で始まり、新作アルバムなどからオリジナル曲を披露。演奏の合間にポ語で挨拶した。アルバム『CASA』を共作したモレレンバウム夫妻を加えて、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲を演奏。終盤には来場者と共に、ボサノバを合唱する場面もあった。
 代表曲である映画『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲の演奏が始まると、会場からは歓声があがり、美しいピアノの音色が来場者を魅了した。
 母親と来た写真家カロリーナ・フェリスさん(39)は、「大学生の頃に初めて坂本龍一の音楽を聞いてから、ずっと好き。ブラジルでライブを見られるなんて夢のよう」と話した。
 家族で来た大滝繁信さん(50、二世)は「楽しみにしていた『戦場のメリークリスマス』が聞けて良かった」と笑顔で話した。カラオケ教室の講師を務める広瀬秀雄さん(72)は、「歌も演奏もハイレベルで聞き応えがあった」と公演を振り返った。

□大耳小耳□関連コラム
     ◎
 坂本龍一と三宅純の公演は日曜日、サンパウロ市民の憩の場であるイビラプエラ公園で開催された。きっと、何も知らずフラッと立ち寄った人も少なからずいただろう。日本だったら、この豪華な出演者で無料というのはまず考えられない。日本政府からブラジル国民へのかなり豪華なプレゼントだ。ジャパン・ハウスの企画展示やコンセプトは、もしかしたら普通のブラジル人にとって、地味で分かりづらいかもしれない。だが、今回のような誰でも日本の文化に触れられるイベントを、同時並行で続けられるなら、きっと「日本ファン」はどんどん増えていくだろう。一過性で終らないことを祈るのみ。

最終更新:5/9(火) 5:44

ニッケイ新聞