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マクロン新大統領誕生でフランスは先行き不安?

ホウドウキョク 5/9(火) 11:42配信

「羹に懲りて膾を吹く」という言葉がある。

熱い汁ものを飲んでやけどをしたのに懲りて、冷たいなますを吹いてしまうという故事だが、今回はさしずめ「トランプに懲りて、マクロン当選を予言できず」とでもいうか。

事前の世論調査では マクロン氏が大幅にリードをしているにもかかわらず「投票率が下がったらルペン氏と接戦になるかも」とか、「隠れルペン票があるかもしれない」などとマクロン勝利を予告するのに及び腰の評論家が多かった。
それが、選挙結果は世論調査とほぼ変わらぬ大差でマクロン候補が勝つと、「ナポレオン以来の若いフランスの指導者誕生」と掌を返したように持ち上げ、これでフランスに新時代が訪れるようなことを言い始めている人もいて困ったものだ。

「ねじれ」現象で、政治の停滞は避けられない

結論から先に言えば、マクロン大統領の誕生でフランスは先行き不安だ。
来月には日本の総選挙に当たる国民議会選挙があるが、やはり現職議員が有利と考えられている。
また大統領選挙では負けたルペン候補の国民戦線も大躍進すると予想されていて、マクロン氏の支持母体「前進」を急遽政党に作り変えて立てた候補者が割り込むのはなかなか難しいようだ。

フランスの首相は新しい議会の多数派から選ばれ内閣を作るのが通例だ。
マクロン大統領の「前進」が多数派になる可能性はほとんどなければ、大統領と首相が別の政党という「ねじれ」現象が起こり、過去にも見られたような政治の停滞が避けられないことになる。

ルペン氏率いる国民戦線は強く抵抗

マクロン大統領の当面の課題としては、「EUとの関係」「難民の受け入れ」それに「トランプの米国やEUを離脱する英国との関係」があるが、これらの問題をめぐってはルペン氏率いる国民戦線が強く抵抗することは目に見えている。 
フランスの大統領は米国の大統領よりも強大な権限を持っているが、それでも議会との円滑な関係を保てなければ政局運営は難しい。

マクロン氏の功績は、ルペン氏によるフランスの右側への急旋回を抑える一方で、既存政党の現状維持路線を打破したことぐらいではなかったか。

この先、フランスの政治、経済、外交がどうなるかは全く予測ができない。
マクロンのフランス何処へ行く?

最終更新:5/9(火) 11:42

ホウドウキョク