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女性を引き付ける、大阪の中小企業の魅力とは? 「定着」にこだわらないこと

5/9(火) 16:10配信

日刊工業新聞電子版

定着求めず好循環

 人手不足に悩む中小企業にとって、女性活用は喫緊の課題に違いない。しかし多くの企業がそのノウハウに乏しいのも事実。どのように女性の働く意欲を引き出し、魅力ある職場を作り上げるか。中小企業の町である大阪で成功例を探った。(大阪・中野恵美子)

 「起業に向けて全般的な業務に関わりたかった。町工場だと企画開発から販売広報まで挑戦できる」。洗剤製造の木村石鹸工業(大阪府八尾市)の峰松加奈さん(27)は入社の動機をこう話す。大手外資企業から転職し、新設した商品開発・マーケティング室に配属された。同社が自社商品のネット販売拡大に向け、商品企画に関心のある人材を就活サイトで募集したのに応えた。

 同社は社員の定着にあえてこだわらず、起業意欲のある若い女性社員を採用している。峰松さんが入社してからの1年間でネット販売の売上高は2200万円増の4000万円へと大きく伸びた。知名度も向上し、この春も新たに起業希望の若い女性が入社。木村祥一郎社長は「会社を自身のステップアップの場としてくれれば良い。ユニークな人材が会社に好循環を生んでくれる」と喜ぶ。

パート社員にもスキル向上支援

 中小モノづくり企業向けに特許事務所への資料作成などを代行するWIS知財コンシェル(大阪市北区)は、子育てを一段落した女性を事務でパート採用している。パート社員のモチベーションとなっているのが専門的なスキルの獲得。2児の母である溝部佑子さん(36)は、2016年に知財管理技能検定3級を取得、今夏は2級を目指している。

 復職で苦労した溝部さんが同社への就職を決めたのは「自分の働ける時間帯に出社し知財のスキルを身につけられる」からだった。同社は女性採用などによって知財管理事務の代行サービスの拡大を進めている。

 「現在は勤務時間も給与も正社員と同等」と溝部さんはやりがいを感じている。吉田さつき社長は「今後は正社員として活躍してほしい」と期待をかける。