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ソニー、テレビ事業で利益率10%は本当に可能なのか

5/9(火) 11:20配信

ニュースイッチ

担当役員が2020年以降の目標として掲げる

 ソニーは2020年以降に、テレビ事業で営業利益率10%以上を狙う方針を明らかにした。同事業を抱えるホームエンタテインメント&サウンド分野の16年度の営業利益率は5・6%で、おおむね倍増させることになる。有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)テレビなど高付加価値製品の販売に力を注ぐほか、在庫管理を徹底し利益を捻出する。また課題の中南米や中近東で販路を拡大し、成長路線へのシフトを明確にする。

 テレビ事業を担当する高木一郎執行役エグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP)が8日、日刊工業新聞の単独取材に答えた。

 高付加価値製品の販売や課題地域の開拓を本格化する一方、過度な売り上げ拡大を控えて利益を追求する従来路線を踏襲する。

 一方、ソニーは8日、有機ELテレビ「ブラビアA1シリーズ」2機種を6月10日に日本市場に投入すると発表した。日本で有機ELテレビを発売するのは10年ぶり。

 高コントラストを実現したほか、パネル自体が振動してスピーカーとして働く機能を採用した。画面の中から音が出てくる感覚により、臨場感を高められる。価格は55型が50万円前後(消費税抜き)、65型が80万円前後(同)。

 ブラビアA1シリーズは、高付加価値製品の新しいラインアップに位置付けた。独自の高機能画像処理エンジンを搭載して画質を向上したほか、音声認識機能を改良した。「来週のお笑い番組」といった曖昧な指示でも番組を検索できる。また高解像度の「4K」映像に対応する。映画やスポーツなどのコンテンツで、より没入感を求める顧客を中心に訴求する。

 同日、高木執行役EVPは都内で会見し「有機ELテレビで、どこまで市場を広げられるか挑戦する。東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に向けて進化させていく」と説明した。また営業戦略を担うソニーマーケティング(東京都品川区)の河野弘社長は「4K市場が成長する中で、けん引役の主役となるのが有機ELテレビだ」と意気込んだ。

<解説>
 現実的に今のハード売り切り型のビジネスモデルでは利益率10%は不可能だろう。高付加価値品へのシフトや在庫管理の徹底も、これまでに何度も宣言してきていること。有機ELがキラーデバイスになるとも考えにくく、いつものように価格下落が起こる。

 一方で日本の電機産業の過去の技術革新といえばほとんど家電から出てきている。インフラ・重電の技術は米国からの持ち込まれたものばかり。東芝もDVDやパソコンを始め多くの製品や技術で世界をリードしてきた。その経営資源をほとんど捨ててしまうのは惜しい。

 ソニーは日本企業の中でもまだ家電分野でイノベーションを生み出す力が残っている。

最終更新:5/9(火) 11:20
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