ここから本文です

見た試合3500試合以上!東京ドームの“職人”が選んだ「記憶に残るプレー」ベスト3は

スポーツ報知 5/9(火) 14:00配信

後楽園東京D勤続36年スイッチャー“引退”

 4月23日の阪神戦(東京D)で一人の職人がひっそりと“引退”していた。(株)東京ドームに勤務していた道下公夫さん(63)は、バックネット裏の奥、球場2階にある「オーロラ操作室」からバックスクリーンに映る選手名の表示操作や、カウントを切り替えるスイッチャーを担当。後楽園球場の時代から勤続36年余り。巨人戦以外も含め年間100試合、通算で3500試合以上を見てきたその道のプロが、記憶に残るシーンを振り返る。(取材・構成 長井 毅)

 道下さんは73年4月1日に、後楽園スタヂアム(株)に入社し、81年からグラウンドメンテナンスを担当してきた。この職業に就いたのは巡り合わせだった。
 「私は北海道出身で、高校3年生の時、仕事を探していたら、母親が新聞広告の応募欄を見つけたことがきっかけでした。それで担当者に電話をかけたんです。そこから採用担当の方に札幌まで来てもらって面接をしてもらって、なぜか合格した(笑い)。それで上京することになった。ネクタイはつけなくていいし、これは他の仕事はできないなと思いましたね」

 試合の勝敗を左右するミスが許されない現場だが、「やっちゃった…」という出来事もあった。
 「カウントを間違ったりしたことはありましたね。後楽園球場の時は審判のジェスチャーを見てカウントのボタンを押していた。ボールの時は、体を起こすだけ。『あれ? 今のボール? ストライク?』みたいになった。今みたいにすぐにリプレー映像とかが見られない時代だったので大変でした。それと、私ではないですが、某同僚はスコアボードの6回表のところに『×』を入れちゃって試合を“終わらせた”ことがありましたね(笑い)。1死なのに、アウトを足してしまってチェンジにしちゃって、(アウトカウントを)戻すのに時間がかかって試合時間を少し延ばしたこともありましたね」

 後楽園球場ではグラウンドレベルでの仕事を担当していた。そこでしか味わえない貴重な経験もあった。
 「後楽園のブルペンで、江川(卓)さんが投球練習をしているすぐ横を通ったことがあった。すると『ブシュー!』っていう風切り音がしたんですよ。何だこれ!?ってビックリしました。それと本人の後ろからも投球を見ることができたんですけど、球が浮き上がってホップしていた。後にも先にもあんな球を見たのは江川さんだけですね」

1/2ページ

最終更新:5/9(火) 14:00

スポーツ報知

スポーツナビ 野球情報

MLB 日本人選手出場試合5/25(木) 6:35