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国際化で先頭を走る早大の危機感

5/9(火) 11:28配信

ニュースイッチ

他校が集中的な改革でグローバル化で追いかける。国の「大学改革」の行方にも注視

 「教育面でのグローバル化が規模の上でも一番進んでいるのが早稲田大学だと自負している」と話す鎌田薫早大総長。

 「外国人学生数は約5400人。学部生が約4割で、サークルや教室で日本人学生との交流が多い」。これに次ぐ東京大学は3000人強に留まるとか。

 それでも文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業などで、他大学が集中的な改革でグローバル化で追ってきている。今後を考え「兜(かぶと)の緒を締めないと」と危機感を募らす。

 多様な教育理念に基づいて日本の大学の学部生の8割を育成する私立大学。収入の7割が授業料という私立大の経営を少子化が圧迫している。私立大の経常的経費に対する国の補助の割合も1割を切り、国立大とは異なる次元の改革を迫られている。

 1995年度の定員充足率(学生の定員に対する在籍数の割合)は、全410校の96%が1を超えた。しかし15年度は全579校の57%に過ぎない。4割が定員割れだ。

 授業料引き上げによるカバーももはや難しい。さらに学生の都市部集中是正の声を受け、文部科学省は定員超過の学生受け入れに対する罰則を強化した。

 文科省の支援には競争的資金によるものもある。転換点となったのは14年開始の「スーパーグローバル大学創成支援」事業だ。1件年間数億円と、大学教育の通常の事業より1ケタ多く、国際化の先進というステータス確保の思惑が渦巻いた。

 採択された37大学のうち私立大は14大学で東洋大学、創価大学、関西学院大学などが食い込んだ。16年度には、私立大の全学研究を後押しする「私立大学研究ブランディング事業」も始まった。

 大学の未来に向けて、中央教育審議会(文科相の諮問機関)は国公私立の枠を超えた統合や連携の議論に入った。「地域の国立大を中心に大学や自治体、産業界が集まっての人材育成は、文科省事業『地(知)の拠点大学による地方創生推進事業』(COC+)で行われている」(文科省・高等教育局)。大学再編に向けた地ならしになる可能性もある。

 自由な校風で知られる早大だが、近年は国際化を含め教育の質向上で意外なほど手間暇をかけている。国立大学との研究競争にも手は抜けない。

最終更新:5/9(火) 11:28
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