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【WEC】トヨタ嵯峨氏、スパ6時間レースに対し「レースは問題なし。戦略も計画通りに進めた」

5/9(火) 15:40配信

motorsport.com 日本版

 5月6日に行われたWEC(世界耐久選手権)第2戦スパ6時間レースで、TOYOTA GAZOO Racingは、1-2フィニッシュし完勝した。TOYOTA GAZOO Racing Companyのエグゼクティブアドバイザーである嵯峨宏英氏は、今回のレースを次のように振り返った。

【動画】WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース:決勝ハイライト

「レースを通して問題はありませんでした。戦略も計画通りに進められました。最後のピットストップで我々がポルシェの前に出られるのは分かっていました。もちろん、色々ピンチの場面も出て来るのですが、開幕戦シルバーストンもここも作戦通りでした。最終的には速いクルマが勝つという信念でやっていますから。国本(雄資)君がGTと軽い接触をしましたが、それ以外は大きな事故もトラブルもなくて良かったです。レースですから何が起こるか分からないですが、天候もまずまずで、セーフティカーも出ませんでした」

「今回のスパは実力で勝てたと思っています。ただ、2回提示されたフルコース・イエローは、2回とも我々の7号車がピットインをしたすぐ後でした。何もあのタイミングで2度も……と思いましたね。でも、それで(ポルシェのブレンドン)ハートレーのポルシェが前に出たときも(マイク・)コンウェイが頑張ってくれて数秒しか差をつけられないで追いかけてくれたので、最後には抜けると信じていました」

「去年のスパで我々はローダウンフォース仕様でかなり良い走りをしたので、ポルシェはその走りを相当分析してローダウンフォースで来たと思います。実際非常に速かったですね。でも、ドライバーに負担をかけるクルマであったことには間違いなかったと思いますね」

 嵯峨氏は、今回のスパと第3戦ル・マン24時間レースにスポット参戦する9号車トヨタについて、次のように言及した。

「9号車は途中からちょっと減速しましたね。(ニコラ・)ラピエールは速いんですが、減速の理由はわかりません。彼には、かつてのル・マンの件(注・2014年のル・マンでクラッシュ)があるので、絶対にぶつけるなということは言ってありました。スタートの第1コーナーでポルシェの内側に飛び込んで、結局止まりきれずに真っ直ぐ飛び出しましたが、行けると思ったんでしょうね。彼は運転席に座るとスイッチが入ってしまうタイプですので。でも、その後は慎重に走ったと思います」

「ただ、9号車はローダウンフォース仕様なので、直線は速いでしょうがコーナーではクルマを抑えつける力が弱いということなんだと思いますね。9号車だけでなく、ポルシェも同じだったような気がしますね。前を走っている時は頑張れるのですが、先に行かれると安全運転になってペースダウンになりますね」

「国本君はWECでのレースは初めてですが、その最初のレースがスパという難しいサーキットでした。コース幅が狭くて追い抜きなどが難しかったようですが、本当に良い経験になったと思います。これでル・マンに向けて準備を整えてもらえばいいですね。ル・マンはここと比べて抜きやすいコースですから。難しいのはポルシェカーブぐらいですよね」

 今回のレースにより、マニファクチャラーズランキングでトヨタはポルシェに9ポイント差をつけて首位に立った。そして来月6月17-18日は、ル・マン24時間レースが待ち受けている。

 ル・マンに向けてスパで唯一のローダウンフォースを投入した9号車トヨタ。しかしセッティングがまだ未熟なため、これから詰める作業になるようだ。

「我々はここスパで実験的な意味合いもあってローダウンフォースを走らせたました。クルマの性能はまずまずだと思いますが、セッティングはまだ十分に出来てはいません」と嵯峨氏は語った。

「ひとつには国本君の練習という意味もありましたから、必ずしも9号車で勝ちに行くことに拘っていたわけじゃないんです。でも、予選が終了した時点で9号車の3人のドライバーは勝ちにいけると思っていて、もしかしたら勝てるかもしれないという気持ちで頑張ってくれたんです。まあ、詰め切れなかったということでしょう」

「でも、2台揃っての表彰台、嬉しかったです。これでル・マンに向けて弾みが付きます」