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縮小うる中元市場。ビール各社の作戦が好対照だ!

ニュースイッチ 5/9(火) 14:50配信

原料にこだわり、気軽さ、高齢者

 ビール大手が5月中旬以降、知恵を絞った中元向けギフトセット商品を相次いで発売する。アサヒビールは国産原料にこだわり、サントリービールは鉄道ファンへの贈り物などカジュアルギフトに力を入れる。高齢化や消費者の意識変化などを背景に、中元市場は年々縮小している。各社、消費者のさいふのひもを緩めようと競っている。

 アサヒビールは国産原料100%で醸造した「アサヒスーパードライ ジャパンスペシャル」をギフト限定で投入する。

 麦芽や希少ホップ、コメ原料をすべて国産で調達。麦汁の濁度を管理。濾過工程を厳格にする醸造法で、すっきりした切れ味を楽しめる。

 高級志向を取り込むプレミアムビールは、「ワールドホップセレクション」と称してチェコやニュージーランド、ドイツ産ホップの個性的な香りを楽しむ商品を発売する。

 儀礼的な贈答品と同時に、気軽に贈る需要の掘り起こしを狙うのはサントリービール。カジュアルギフトに力を入れる。フォーマルギフトを意識した「ザ・プレミアム・モルツ」の夏の特選6種セットやマスターズドリームセットに加え、「小(こ)もてなしセット」や新幹線デザイン缶の詰め合わせセットを提案する。

 小もてなしセットは、容量が250ミリリットルのミニ缶15本セット。身近な人への贈り物として、堅苦しくない「ちょっと飲みたい時の需要」(サントリービール)を取り込む。新幹線デザイン缶は「はやぶさ」や「こまち」「かがやき」「つばさ」などの新幹線車両をパッケージにあしらった。鉄道ファンへの贈り物や、自宅でビールを楽しむ“家飲み”向けを狙う。

 各社は消費者のビールに対する関心を高めようと、限定商品や特別詰め合わせセットなどに力を入れる。一方、中元を毎年贈る高齢者層などの顧客に「定番品を選ぶ傾向が強まっている」(ビール大手)という。

 アサヒやサッポロビールは、高齢者は自分が飲むビールの銘柄が決まっており、その銘柄以外は飲まない人も多いと分析する。サッポロはこれを背景に、定番の「ヱビス」を強化。キリンビールは47都道府県の一番搾りビールのセットを充実させる。

日刊工業新聞第二産業部・嶋田歩

最終更新:5/9(火) 14:50

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