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育苗期間短く、省力化期待 種から育てるイチゴ栽培調査/八戸

デーリー東北新聞社 5/9(火) 14:50配信

 種から育てる種子繁殖型のイチゴ品種「よつぼし」の栽培調査が、青森県内最大のイチゴ産地・八戸市で進んでいる。県内での栽培は初。市農業経営振興センターが2017年度から2カ年で、八戸の気候や土壌への適性を調べる。将来的に普及すれば、育苗期間が大幅に短縮されることから、生産者の省力化につながるメリットが大きいという。

 イチゴは、クローンを増やす栄養繁殖型が一般的。秋に親株を植え、翌年春から夏にかけて伸びた茎から「ランナー」と呼ばれる子苗を切り取って増殖する。定植は9月で、収穫は11月から。育苗に1年近い期間を要し、専用のビニールハウスも必要となる。

 これに対し、種子繁殖は親株を育ててランナーを取る必要がない。種なら5月、苗なら7月に育苗を始めても9月には定植できる。育苗期間は2~4カ月で、育苗ハウスを収穫用に回したり、空いた期間に他の作物を栽培したりすることも可能だ。

 病害虫やウイルスがない種子を確保できるメリットもある。親と子がクローンの場合、親株の病害虫やウイルスが子苗に伝染するリスクが高い。

 三重、香川、千葉の3県と九州沖縄農業研究センターが共同開発し、14年に出願、17年2月に品種登録された。現在は研究機関や種苗会社で構成する研究会が種苗を管理している。これから本格的に流通が進む見通しだ。

 大粒で見た目が良く、濃厚な食味が特長。耐冷性もあるとされ、市農業経営振興センターは「気候的にも八戸で生産できる可能性は十分にある」とみている。

 一方、地元生産者はまだ様子見の構え。イチゴ農家の石田和弘さん(62)は「市場の評価が分からない。詳しいデータが出るのを待ちたい」としながらも、「育苗に大変な手間が掛かっているので、調査結果次第では、栽培に取り組む農家が出てくるのではないか」との見方を示す。

 調査を担当する同センターの中里一希技師は「生産者の高齢化が進む中で、省力化という観点で導入の利点はある。適性を見極め、選択肢として生産者に示せれば」と話している。

デーリー東北新聞社

最終更新:5/9(火) 14:50

デーリー東北新聞社