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【今宮純のキャッチポイント】過去10年で勝者は10人。2017年のスペインGPを制するのは?

5/9(火) 7:00配信

オートスポーツweb

表彰台の中央に立つドライバーが10年間ずっと変わってきている。ほかにはないスペインGP伝説 

【画像】昨年のスペインGPで同士討ちを喫したメルセデスAMG

 昨年、マックス・フェルスタッペンがレッドブルで電撃勝利を射止め、2007年から10人目のウイナーに。ヨーロッパ・ラウンド春開幕戦、毎年サプライズがある濃厚味のバルセロナ。

 さかのぼると07年フェリペ・マッサ、08年キミ・ライコネン、09年ジェンソン・バトン、10年マーク・ウェーバー、11年セバスチャン・ベッテル、12年パストール・マルドナド、13年フェルナンド・アロンソ、14年ルイス・ハミルトン、15年ニコ・ロズベルグ、16年フェルスタッペン。

 前戦ロシアGPで、フェルスタッペンに次ぐ107人目ウイナーになったばかりのバルテリ・ボッタス。「11年・11人」記録を続けるか、あるいはこの流れも今年で止まるか──。 

 それにしても珍しい記録だ。理由として、全チームがシーズンオフテストでたっぷり走り込み、コースデータを蓄積している。ドライバーもF1以前から走行経験が豊富にあり、F1全サーキットのなかで最も熟知している。

 こうしたベースが存在するだけに、他のグランプリより機会均等性が高まると考えられる。


 今年も、シーズンオフテストがここで8日間行われた。ベストタイムは以下の通り。
1位 ライコネン 1分18秒634
2位 ベッテル  1分19秒024
3位 ボッタス  1分19秒310
4位 ハミルトン 1分19秒352
5位 マッサ   1分19秒420

 最速ライコネンは昨年のハミルトンポールポジションタイム1分22秒000を更新、10年ウェーバーのポールポジションタイム1分19秒995も破った。さらに、過去のテストで09年にバリチェロが記録した1分18秒926も塗りかえている。

 テスト走行距離は1位ボッタス628周、2位ベッテル591周、3位ハミルトン468周……。メルセデス移籍のボッタスがハミルトンより約800kmも多く走り込み、マクラーレン・チーム2台の合計距離以上をカバー。

 あのテストでは、ウルトラソフトやスーパーソフトによってベストタイムが出ている。グランプリ本番では、昨年同様に硬い側のハード、ミディアム、ソフト(今季初めて)が供給される。そこで、シーズンオフテスト中のソフトでのタイムを独自集計するとこうなる。

1位 ライコネン 1分19秒267
2位 ベッテル  1分19秒341
3位 フェルスタッペン 1分19秒852
4位 マッサ   1分20秒084。

 メルセデス勢はソフトで主にスティントランを実施、コンスタントに1分20秒台で周回。したがって、ベストタイムを直接比較できない。意図的にソフトでのパフォーマンスランを控えたのか、彼らは昨年も、こういう余裕ありげな行動をとった。

 このオフのテストから類推するならフェラーリが優勢、メルセデスではボッタスが積極的、ハミルトンは例年のように「タイムは気にしない」態度がうかがえる。しかし、テストから本番になると変動するのがバルセロナ。

 昨年テスト最速のフェラーリは予選3列目に後退、レッドブルが2列目に上昇、最前列メルセデスに0.680秒差まで接近。

 冬のテスト時と春本番ではコンディションが変化、加えてオフバージョンからのマシン進化度は測り知れないものがある。60日間、4レースを経て戦力情勢に大変動が見られるスペインGP、ここにはいつもサプライズが起きる。

■今宮純が厳選するF1第5戦スペインGP 6つの見どころ


キャッチポイント1
 シーズンオフテスト中、17年マシンのダウンフォース増による高速ターン3全開が話題になった。だが、ここを含むセクター1タイムは昨年の予選より低下、メインストレート速度が落ち、相殺されていた。鬼門のターン9があるセクター2では1.3秒短縮、ヘアピンとシケインのセクターで実に2.3秒短縮(!)。ここで俊敏性能を発揮したのがフェラーリ、メルセデスと2強対決のキーセクターは2と3だろう。

キャッチポイント2
 何を出してくるのかレッドブル。60日間を費やし、狙い定めたビッグ・アップデートを投入。FP1に注目したい。ルノー製パワーユニットのバージョンアップはやや遅れ気味だが、エイドリアン・ニューウェイが日夜やり込んでいたとか。

キャッチポイント3
 長期予報は週末ほぼ晴天、モンメローの丘にあるコースは陽ざしによって、午前と午後の路面温度差が大きい。これに昨年フェラーリは惑わされ、FP1朝トップ発進も暑くなるにつれセットアップに失敗。どのチームも注意しなければ……。

キャッチポイント4
 毎年、ターン9にアロンソ大応援団がひしめく。いまインディカーと往復する彼への声援はいつもどおりだろうか。観客が減らなければいいが、母国ではマクラーレン離れ現象が進んでいるらしい。

キャッチポイント5
「アロンソ・ロス症候群」をカバーするのはカルロス・サインツJr.。16年予選8位/決勝6位、15年予選5位/決勝9位、チームメイトのダニール・クビアトにもフェルスタッペンにも優った。彼の得意コース。

キャッチポイント6
 中間チーム勢のポールポジションは誰か。昨年は4列目7位ボッタス、8位サインツJr.、9位セルジオ・ペレス、10位アロンソ。今年は初戦ロマン・グロージャン、第2戦マッサ、第3戦ニコ・ヒュルケンベルグ、第4戦マッサが中間チームポールポジションを奪ってきた。彼らが12年マルドナドのようにはじけたら、オモシロいのだが。  

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