ここから本文です

県内シルバー人材センター 会員減少、確保に躍起

5/10(水) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

高齢者の生きがいづくりなどを狙いに市町村などが運営するシルバー人材センターの県内の会員が年々減少している。最近で会員が最も多かった2009年度の約1万9500人から15年度までに約1割減少。高齢化が進展する中で、法改正に伴い事業所などの雇用年齢が65歳まで引き上げられ、60歳定年後に入会する人が減ったことなどが背景にあるという。センター関係者は「会員が確保できなければ仕事を受けられず、顧客のニーズに応えられなくなる」と懸念している。

県シルバー人材センター連合会によると、県内の会員は08年度の1万8883人から09年度は1万9563人に増加。同年度をピークに年々減少し、15年度は1万7768人。平均年齢は05年度の68・6歳から、15年度は71・5歳まで3歳近く上がっている。

同連合会の稲葉精一常務理事は、会員の減少傾向について「法改正によって65歳まで働ける環境に変わったのが大きいのではないか」とし、高齢などを理由に退会者が出る一方で、60歳定年後に入会する人が減るなど入会者数が退会者数に追い付かなくなっている実態を指摘する。

改正高年齢者雇用安定法が13年に施行され、65歳までの希望者全員の雇用を事業主に義務付け、継続雇用や定年の引き上げなどを求めている。

また、会員のうち女性が男性の半数程度にとどまっていることから、「家事や育児の支援事業の担い手として女性会員を増やし、会員全体の増加につなげたい」(同常務理事)とする。

東海村シルバー人材センターは10年度の430人以降会員が減る傾向で、16年度は357人まで約2割減った。15、16年度は会員の確保を狙いに、同センターのコーディネーターが村内全世帯を年1回ずつ訪問したが、「目立った成果はなかった」という。

同センターが独自事業として約20年前から続けている花栽培事業。村内の保育所や幼稚園、村役場などから注文を受けて販売する。4月下旬には、会員15人が集まり、同村村松の村総合福祉センター敷地内のビニールハウスでベゴニアとマリーゴールドの苗をポットに植える作業に追われた。

2日間で約8千ポットを作る作業。参加した村内在住の高畑則子さん(70)は「友人からセンターを勧められて7年前に入会した。みんなと話できるのが楽しい」と話した。

夏場や年末は草刈りや庭木の剪定(せんてい)の依頼が殺到する。現状でも、最大で1~2カ月待ちになることがあることから、さらに会員が減れば依頼を受けられないケースも想定される。同センターの担当者は「会員が減れば、顧客のニーズに応えられなくなる」と危惧している。 (斉藤明成)

★シルバー人材センター
高齢者の生きがいづくりを主な狙いに、おおむね60歳以上の人に就労の場を提供する。個人や企業、地方自治体などから仕事を請け負う。会員は報酬として配分金を受け取る。大半は市町村単位で設置し、石岡市と小美玉市、下妻市と八千代町が広域で運営している。比較的に短時間で軽微な仕事が中心で、庭木の剪定や施設の管理・清掃作業などがある。各センターの独自事業のほか、最近は派遣も増えている。

茨城新聞社