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韓国大統領選挙で文在寅氏が当選、反財閥的な政策なら韓国経済への影響は?

THE PAGE 5/10(水) 14:51配信

 9日に投開票が行われた韓国大統領選挙において「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が当選を果たしました。文氏は人権派弁護士出身で、朴槿恵前大統領の罷免を強く求めてきた人物です。大統領就任後は反財閥的な政策を実施するとの見方もありますが、今後の韓国経済はどうなるのでしょうか。また日本経済に影響はあるのでしょうか。

反財閥的な政策や格差是正の強攻策を実施?

 今回の大統領選は、朴氏がスキャンダルで罷免されたことから、旧与党には票が入りにくく、革新系の文氏と、中道系の安哲秀(アン・チョルス)氏による事実上の一騎打ちといわれてきました。選挙結果は文氏の圧勝となりましたから、朴槿恵政権に対する批判が大きいことが分かります。

 文氏は盧武鉉元大統領の側近だった人物で、北朝鮮に対しては一貫して融和的な姿勢を示してきました。こうした経歴から、一部では文氏が大統領になった場合、反財閥的な政策や格差是正の強攻策が実施されるのではないかとの指摘があります。

 確かに文氏は財閥による過度な権力集中や格差是正を訴えていますから、一部の政策は実現する可能性があるでしょう。しかし、文氏が反財閥を打ち出したとしても、韓国の財閥を弱体化させることは現実的にかなり難しいといわれています。その理由は韓国経済があまりにも財閥に依存しているからです。

財閥企業の業績に依存する韓国経済

 サムスン電子の2016年12月期の売上高は約202兆ウォン(約20兆円)、純利益は約22兆ウォンと絶好超です。サムスンが生み出した付加価値は82兆ウォンで、これは韓国のGDP(国内総生産)の5%を占めます。

 しかも韓国企業の多くは関係会社や下請け会社という形で財閥企業との関係が密接ですから、韓国経済は財閥企業の業績次第で大きく変動してしまうのが実態です。

 同社は昨年、スマートフォンの発火事故をきっかけに、一部製品の生産中止に追い込まれましたが、経営的にはほとんど影響がありませんでした。同社の株価も高値圏で推移していますが、逆に言えば、サムスンの業績が維持できなければ韓国経済も失速してしまいます。

サムスンを追い込むことは得策ではない

 文氏は公共部門を中心に雇用の創出を主張していますが、経済が維持され税収を確保できなければ、雇用政策の実施も危うくなるでしょう。サムスンは創業家の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が逮捕されるなど、朴氏のスキャンダルの渦中にある企業ですが、これ以上、サムスンを追い込むような状況は文氏にとっても得策ではないわけです。

 北朝鮮政策という政治的なリスクは残りますが、経済的には従来の路線が継続される可能性が高いと市場関係者の多くは予想しています。従来路線が継続された場合、日本経済に対する影響も限定的ということになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/16(火) 6:06

THE PAGE