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FBI長官がクビ!その背景は? 「あの国」の影と「2つのメール問題」 日本でたとえると検事総長が…

5/11(木) 7:00配信

withnews

 アメリカの大きな事件を捜査する警察、FBIのトップを務めるコミー長官が5月9日、トランプ大統領によって突然クビになりました。これは、日本でたとえれば「汚職事件を捜査中の検事総長が首相に解任される」ような異例の事態です。去年のアメリカ大統領選挙で、トランプ氏に有利になるようにロシアがサイバー攻撃をしたんじゃないか――そんな疑惑について、FBIが捜査をしている最中のことでした。(朝日新聞国際報道部・神田大介)

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クリントン氏陣営のメール流出

 アメリカでは2016年7月、大統領選の真っ最中に、トランプ氏と争っていたヒラリー・クリントン氏が所属する民主党の幹部のメール、約2万通が流出するという問題がありました。

 その1カ月前、ロシア政府とつながりがある二つのハッカー集団が民主党のコンピューターに侵入していたことが、党の調査でわかっていました。

 FBIは直後に捜査を開始。2016年12月には、当時アメリカ大統領だったオバマ氏が、メール流出にロシアの情報機関が関わったと断定。アメリカに駐在するロシアの外交官ら35人を国外退去処分にするなど、報復措置をとりました。

ロシアを持ち上げてきたトランプ氏

 問題は、ロシア側が勝手にやったのか、それともトランプ氏本人や周囲の人が関わったのかどうかです。

 コミー長官は、トランプ氏がアメリカ大統領になって2カ月が過ぎた今年3月20日、「トランプ陣営とロシア政府の関係や、協力について、捜査をしている」と発言していました。

 トランプ氏はこれまで、ロシアのプーチン大統領を「とても賢い」「力強い」「尊敬されている」「我々の大統領よりはるかに指導者らしい」などと持ち上げてきた経緯があります。

 ウクライナ領だったクリミア半島をロシアが武力で一方的に併合したことについても、「クリミアの人々はロシアと共にいることの方を望んでいたと聞いた」と言うなど、ロシアに甘い姿勢を示していました。

側近たちもロシアと親密

 トランプ氏の周囲にいる人たちもまた、ロシアとの親密さが目立ちます。

 大統領補佐官を務めていたマイケル・フリン氏は、2016年12月にオバマ氏がメール流出に報復をすると、アメリカに駐在するロシア大使と、この件についてひそかに話をしていました。2015年12月にモスクワで講演し、ロシア政府系メディアから3万ドル(約340万円)を超える報酬を受け取っていたこともわかっています。

 大統領選挙で選挙対策本部長を務めていたポール・マナフォート氏は、ウクライナの親ロシア派から計1270万ドル(約14億円)を受け取っていたと報じられ、2016年8月に辞任しています。

 日本の外務大臣にあたるレックス・ティラーソン国務長官は、もともとエネルギー大手エクソンモービルの最高経営責任者で、そのころからプーチン氏と親しい関係でした。

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最終更新:5/11(木) 7:00
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