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<韓国大統領選>少数与党の新政権 国政運営は他党との協力が鍵

聯合ニュース 5/10(水) 1:47配信

【ソウル聯合ニュース】9日に投開票された韓国大統領選で、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が当選を決めた。前大統領の朴槿恵(パク・クネ)被告の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告による国政介入疑惑が持ち上がってから続いていた政局の混乱が終わり、文在寅政権の幕が上がった。

 朴前大統領を罷免に追い込んだ大規模な「ろうそく集会」の参加者などの支持により当選した文氏は改革を旗印に掲げ新政権をスタートさせるものの、少数与党であることもあり他党との「協力政治」と「連合政府」の実施は避けられない見通しだ。

 約10年ぶりに政権与党に復帰した共に民主党は第1党であるものの、議席数(計300)は120に過ぎない。

 一方、朴政権で与党だった保守系「自由韓国党(旧セヌリ党)」は現在94議席だが、セヌリ党を離党した議員らが結成した「正しい政党」の国会議員の一部が同党を離党し、自由韓国党に復党するとしており、手続きが終われば106議席になる。

 40議席の中道系「国民の党」は与野党間でキャスティングボートを握り、大規模な離党を阻止して院内交渉団体(20議席以上)の資格を維持した正しい政党も無視できない勢力だ。

 そのため新政権と共に民主党だけでは主な法案の国会通過さえままならないというのが現実だ。政界では新政権が韓国の憲政史上最弱になる可能性があるとの見方も出ている。

 首相や閣僚の人事も険しい道となることが予想される。

 大統領職の引き継ぎ委員会が設置されなかったため、新政権の初代首相や閣僚候補に対する検証が不十分になる可能性も排除できない。国会の人事聴聞会で野党側が反発すれば、閣僚の任命も難しくなる。

 政府の組織改編も難しくなる見通しだ。これまでの政権は発足するたびに組織改編で与野党間の攻防があった。

 文氏は大統領選期間中に▼中小ベンチャー企業部の新設▼外交部を外交通商部に改編▼海洋警察庁・消防防災庁の独立▼公職者の不正を捜査する組織の設置▼未来創造科学部の改編▼教育部の機能縮小――などを公約として掲げた。

 さらに改憲議論も今後の政局を左右する変数となる。大統領選で改憲が争点になると、主要候補は2018年の統一地方選で改憲の賛否を問うとの立場を明らかにした。政界では野党側が改憲を材料に与党への圧力を強める可能性が高いとの見方が出ている。

 首相や閣僚の人事、政府の組織改編、改憲議論などで与野党が対立した場合、新政権が数か月にわたり機能しない事態も起こり得る。

 そのため新政権にとって「協力政治と連合政府」は選択ではなく必須になる見通しだ。

 文氏もこのような現実を認識し、統合の意思を明らかにした。

 文氏は9日、投票を済ませた後に記者団に対し、「選挙が終わればこれからわれわれは一つ」とし、「競争したほかの候補、ほかの政党を私から迎え、協力する政治をする。国民も選挙が終われば一つになり、国民統合を必ず成し遂げて下さるよう願う」と強調した。

 文氏は選挙戦が終盤に入った4日にも、「統合政府構想」を披露し、大統合の意思を明らかにした。

 統合政府は党派や地域、世代を超え、公平を原則に韓国最高の人材を発掘し、最高の政策を作る政府を目指すことだという。ただ、野党側が大統合にどの程度応じるかについては不透明だ。

 「協力政治と連合政府」という政治体制を構築することができるか、文氏の力量が試される。

最終更新:5/10(水) 1:53

聯合ニュース