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ソラコムの新料金は従来比6分の1の月額50円!? LoRaWANの普及加速でも一手

5/10(水) 12:10配信

MONOist

 ソラコムは2017年5月10日、IoT(モノのインターネット)向けデータ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」に新たな料金体系として「Low Data Volume」を追加すると発表した。同年5月17日から国内提供を始める。遠隔監視や動態管理など、通信を行うIoTデバイスの数が多い一方で、1個のIoTデバイス当たりの通信データ量が少ない用途に向ける。「月間の基本料金と通信料金の合計で50円程度に抑えることも可能」(同社社長の玉川憲氏)だという。

【新たな料金体系「Low Data Volume」の概要などその他の画像】

 Low Data Volumeは、ソラコムが2016年11月から展開を始めた、グローバル向けのSORACOM Air for セルラーで用いているSIMの技術がベースになっている(関連記事:ソラコムがグローバル対応SIMを米国で販売、データ蓄積サービスも追加)。初期費用は、現行の料金体系「Basic」と同じ5米ドル(SIMカードの送料は別)。データ通信開始後の基本料金は、Basicの1カ月当たり約1.8米ドル(約200円)に対して、Low Data Volumeは1カ月当たり0.4米ドル(約45円)と4分の1以下に抑えられる。一方、データ通信料金は、Basicが1MB当たり0.08米ドル(利用する国と地域によって異なる)なのに対して、Low Data Volumeは1MB当たり0.5米ドル(利用する国と地域によらず固定)と割高だ。

 従来のSORACOM Air for セルラーでは、1カ月当たりの料金が、国内向けは300円から、グローバル向けで180円からとなっていた。Low Data Volumeは、通信データ量が少なければ月間の基本料金である45円に近い金額に抑えられる。データ通信料金は1KB単位での従量課金となっているので、例えば月間のデータ通信料金が100KBであれば、月額料金は約51円になる。これは、従来の国内向け月額料金の約6分の1だ。

 Low Data Volumeの主な用途の月額料金のイメージは以下の通り。営業車両などの動態管理であれば、GPSデータ(百数十バイト)を15分に1回、24時間/1カ月収集すると約77円。機器の死活監視や在庫確認などであれば、機器の状況データ(百数十バイト)を1日1回/1カ月収集すると約46円。エレベーターの緊急ボタン装置など、数カ月に1回のデータ送信があるかないかというレベルの情報を収集する場合はほぼ基本料金の45円になる。

 玉川氏は「IoTデバイス1個当たりの通信データ量は少ないが、もっとたくさんのIoTデバイスにSORACOM Air for セルラーを適用したいという顧客からのフィードバックに応えた料金体系だ。グローバル向けSIMの技術を用いているので、日本国内だけでなく米国や欧州などでも利用できる点もメリットになる」と説明する。

●LoRaデバイスの認証をオープン化

 ソラコムは、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの有力候補の1つとして知られるLoRaWANへの取り組みを進めている。2017年2月には正式に「SORACOM Air for LoRaWAN」としてサービスを開始した(関連記事:LoRaWANの商用利用を開始、ゲートウェイ1台当たり年間15万円で導入可能)。

 ただし、SORACOM Air for LoRaWANについては、末端の機器側でLoRaWANの通信を行うLoRaデバイスと、各LoRaデバイスからの通信をとりまとめるLoRaゲートウェイは、ソラコムが検証済みのレファレンスプラットフォーム(エイビット製)しか利用できなかった。しかし「顧客から他のLoRaデバイスも併せて使いたいという要望があった」(玉川氏)ため、SORACOM Air for LoRaWANと接続可能なLoRaデバイスの認証をオープン化することとした。

 2017年5月10日からLoRaデバイスの登録申請の受付を開始するが、現行のエイビット製を含めて6社のLoRaデバイスがSORACOM Air for LoRaWANに対応することが決まっている。内訳は、LoRaの通信機能を持つ部品である「LoRaWANモジュール」が4社、アンテナなどを含めた半完成品状態の「LoRaWANエンドデバイス」が2社となっている。

 SORACOM Air for LoRaWANでは、LoRaゲートウェイを自社で所有せずにユーザー間で共有する「共有サービスモデル」を用意している。現在、共有サービスモデルのLoRaゲートウェイは国内に約30台あるという。玉川氏は「LoRaWANの普及に向けて、LoRaデバイスの認証のオープン化や、共有サービスモデルは重要な役割を果たすだろう。IoTに最適なLPWAネットワークに注目が集まる中、LoRaWANの進展にも確かな手応えを感じている」と述べている。

 なお、ソラコムは「第6回 IoT/M2M展」(2017年5月10~12日、東京ビッグサイト)に16社のパートナー企業と共同で出展し、新サービスやLoRaWANに関する取り組みなどについて紹介する予定だ。

最終更新:5/10(水) 12:10
MONOist