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トヨタ18年ぶり2年連続減益 米市場減速、新技術投資が負担 「等身大の実力」

SankeiBiz 5/11(木) 8:15配信

 トヨタ自動車が10日発表した2017年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が大幅な減益となった。18年3月期も為替レートを前期の実績より円高に想定したことに加え、業績を牽引(けんいん)してきた米国市場の減速や、将来に向けた技術への投資負担が収益を圧迫して減益になる見込み。販売が鈍化する中、いかに将来の投資費用を捻出して競争力を維持するかが問われる。

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 豊田章男社長は同日の決算会見で、「為替の追い風も向かい風もない中で、等身大の実力が表れた」と振り返った。

 トヨタは東日本大震災などの影響で減益に陥った12年3月期以降、原価改善の努力などのほか、円安や米国を中心とした販売好調の「追い風」を受けて4期連続の増益を達成。16年3月期は売上高が28兆4031億円、営業利益が2兆8539億円と、いずれも過去最高を更新した。

 だが、業績拡大を後押しした追い風がやみ、環境は大きく変化した。16年3月期は平均で1ドル=120円で推移した為替レートは、17年3月期は同108円と円高に傾き、9400億円の大幅な減益要因となった。

 また、トヨタにとって主力市場の米国の新車販売台数は今年に入って4カ月連続で前年割れと減速が鮮明だ。各社が値下げ原資となるインセンティブ(販売奨励金)を積み上げ、「競争が激化している」(永田理副社長)。

 18年3月期も北米販売は高水準を維持する見通しだが、販売費用の増加が収益の足を引っ張る。研究開発費や設備投資の負担増大がのしかかり、豊田社長は「未来への投資も継続的に進める」とする一方、「売り上げが伸びなければ、何かをやめる決断も必要になる」と戦略見直しも示唆する。

 だが、トヨタは環境対応車に加え、人工知能(AI)を研究する新会社を設立するなど「全方位」で開発を進める。その結果、18年3月期は研究開発費が前期比1.2%増の1兆500億円に上る見込みだ。豊田社長は「ここをボトムライン(底辺)に持続的成長のライン上で歩みを進める」と述べた。市場の鈍化と費用拡大という板挟みに陥る中、トヨタは再び成長軌道に乗ることができるかどうか。豊田社長のかじ取りが命運を決する。(会田聡)

最終更新:5/11(木) 8:15

SankeiBiz