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文在寅氏の当選確定 韓国の新大統領に即時就任

朝日新聞デジタル 5/10(水) 8:23配信

 韓国大統領選で、韓国の中央選挙管理委員会は10日午前、全体会合を開き、当選確実になっていた進歩(革新)系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)・前代表(64)を当選者と決定した。文氏は即時、第19代大統領に就任した。朴槿恵(パククネ)前大統領の罷免(ひめん)から約60日で、韓国で9年ぶりとなる革新政権が始動した。

 文氏は就任に伴って韓国軍の統帥権を引き継ぎ、軍の合同参謀本部議長と電話協議し、北朝鮮軍の動向の報告を求めた。その後、歴代大統領が眠る国立墓地「顕忠院」を訪問し、宣誓式が開かれる国会に向かった。国会では就任演説をして政権の方向性を示し、午後には政権運営の要となる首相や大統領秘書室長、国家情報院長らの人事を発表する。

 関係者によると、首相人事には李洛淵(イナギョン)・全羅南道(チョルラナムド)知事の名前が挙がっている。李氏は韓国紙・東亜日報の東京特派員を務め、知日派として知られる。

 韓国での政権交代は、進歩系の盧武鉉(ノムヒョン)政権から保守系の李明博(イミョンバク)政権に代わった2007年以来。通常は当選から就任まで約2カ月間の政権移行期間があるが、朴前大統領が失職しているため、引き継ぎ期間がない新政権の船出となった。

 文氏は当選確実となった9日深夜にソウル中心部・光化門広場で演説し「私を支持しなかった人にも仕える統合大統領になる」と語った。組閣のスタートラインとなる首相任命は国会の同意が必要だが、「共に民主党」だけでは国会議席が過半数に届かない。選挙戦で激しく争った保守系を含めた他党との対立を解消し、協力を得られるかが焦点となる。

 文氏は、選挙期間中、慰安婦問題の日韓合意について日本政府に再交渉を求める考えを繰り返し表明。争点となった米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD(サード))の韓国配備をめぐっては、事実上の運用が始まっても「次の政府に任せるべきだ」として賛否を明言しなかった。

 北朝鮮についても、対話を重視する考えを示している。北朝鮮が核ミサイル開発を続ける中、今後こうした考えを外交政策にどのように反映し、米国や日本と協議を行うかも課題になる。

 中央選管が発表した最終集計では、文氏の得票率は41・1%で、朴前政権の与党「自由韓国党」の保守系、洪準杓(ホンジュンピョ)・前慶尚南道(キョンサンナムド)知事の24・0%、野党第2党「国民の党」の中道系、安哲秀(アンチョルス)・元常任共同代表の21・4%を引き離した。投票率は77・2%で、前回の12年の75・8%を上回った。

 文氏は弁護士出身。故盧武鉉元大統領の側近で、盧政権では大統領秘書室長も務めた。(ソウル=武田肇)


■韓国大統領選の開票結果

候補者 得票数 得票率

文在寅 13,423,800 41.08%

洪準杓 7,852,849 24.03%

安哲秀 6,998,342 21.41%

(開票率100%。4位以下は省略。中央選管による。敬称略)

朝日新聞社

最終更新:5/10(水) 12:29

朝日新聞デジタル