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「いつかまた双葉で」 双葉町洋菓子店「ふたば茶亭」閉店の思い /福島

みんなの経済新聞ネットワーク 5/10(水) 12:46配信

 福島県双葉郡双葉町に本店を構える「ふたば茶亭 平窪店」(いわき市平下平窪)が5月21日、閉店する。店主の眞柄(まがら)正洋さんは「いずれ双葉町に近いところで再開したい」と前を向く。(いわき経済新聞)

5月21日に閉店する「ふたば茶亭 平窪店」(関連画像)

 同店は、東日本大震災と福島第1原子力発電所事故により、いまだ町のほぼ全域が帰還困難区域に指定されている同郡双葉町唯一の洋菓子店として1982(昭和57)年から親子二代にわたって営業。震災で避難と店舗閉鎖を余儀なくされたが、2011年9月には仮設店舗としていわき市内に平窪店をオープン。5年9カ月の間、双葉町民はもちろん、周辺の双葉地域から避難してきた人たちもふるさとを感じられる場所にと営業を続けてきた。閉店を聞きつけ、眞柄さんにあいさつしたいと訪れる人も多い。

 眞柄さん自身は震災前にいわき市に移り住み、2004年に同店の姉妹店として「パティスリーグランブルー内郷店」(内郷御厩町)を、2005年に「ラトリエグランブルー小名浜店」(小名浜君ケ塚町)をオープン。町外でのオープンに当たり「ふたば茶亭」から店名を一新した。地元いわきで取れた果物をスイーツに使うのはもちろん、いわき名物の魚「目光」をモチーフにした「サブレ・ド・メヒカリ」、いわきの地酒をゼリーにした「又兵衛 酒ゼリー」など新商品を開発するなど、市内に多くのファンを持つが、「ふたば茶亭の姉妹店だということを知らない人も多い」と笑う。

 双葉町時代から人気の「バターカステラ」(以前の商品名は「夢カステラ」)や洋菓子店ながら開発した新商品「福来ら(ふっくら)ドラ焼き」など、同店の商品は引き続き姉妹店の2店舗で販売するほか、通販店舗にも「ふたば茶亭」の名前は残る。いったん、実店舗としての「ふたば茶亭」は姿を消すことになるが、「昔から双葉町の店に来てくれていたお客さんにふるさとを思い出してもらえるように、より双葉町に近いところで店を復活させたい」と眞柄さんは前向きだ。

 「双葉の皆さんは、誕生日ケーキが(ふたば)茶亭だった人も多くいると思うし、今でもお祭りや催事の際に本当によく利用していただいている。生まれ育ったふるさとが生活できる環境になるまで、懐かしいお菓子を通して、ふるさとを思い出してもらえたら」とも。ふるさとへの思いは常に胸にある。

 5月21日の閉店まで、「かりんとうまんじゅう『夏井川でひろった小石』」を97円(通常108円)で販売する。営業時間は10時~18時。月曜・火曜定休。

みんなの経済新聞ネットワーク

最終更新:5/10(水) 22:04

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