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八王子高・池添元監督の情熱誠意を思う

5/10(水) 16:50配信

東スポWeb

【越智正典「ネット裏」】5月20日から高校野球春の関東大会(茨城、5日間)が始まる。この関東大会が終わると、清宮幸太郎の最後の“夏”が来る。私は八王子高監督、部長、前東京都高野連常務理事、現理事、池添法生の情熱誠意を思い浮かべている。

 2015年、清宮フィーバーが始まると池添は改めて八王子市民球場主任に再特任された。早実の試合は朝の第1試合。神宮第二球場(収容5600人)に進むまでの組み合わせ特例である。東京の大会会場で神宮球場は別だが、大勢のファンを収容出来るのは八王子市民球場しかない。

 球場は四季美しい富士森公園のなかにある。八王子市台町2丁目。夏の市民花火大会は球場から花火を打ち上げる。周辺はオシャレな家々。市岡高、早大投手、1962年卒、ブンちゃんこと、坂本周三は、八王子の丘の上はビバリーヒルですよ、とたのしそうにいうが、大会が始まるととんでもないことが起こって来た。

 遠来の心ないファンがはやいときは午前4時に車でやってくる。ドアの開閉音だけでも人々は安眠をさまたげられる。家々の前に平気で車を止めて行く。池添は大会中も大会後もお詫びに歩く。行政からのお達しもある。

 地域社会は小、中、高…と学校を核に輪が広がっているが、ことしのGW最終日の7日、八王子高で新体操の関東新人戦があった。父兄が見に来ていた。立派な高層校舎の玄関前のスミレの花がキレイであった。私はベンチで「あっという間に“夏”が来る」と呟いていた。各都道府県の高野連事務局の夏の準備ははやい…。実は池添夫人は同じ台町の4丁目の八王子高の国語の先生だったのである。球場にゆかりもあった古人は“箱根山、駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人”と、世の中を教えているが、池添も夫人もその草鞋を作る人といえる。

 池添は桜美林高から駒沢大。将来は高校野球の指導者にと励んで来た。72年、八王子高の保健体育の先生に。野球部を預かるとすぐに都高野連で評判になった。部員が5人しかいなかったからではない。ノックに熱中して連盟に提出する書類の締め切りを忘れる。そのたびに事務局の微笑を誘った。

 ブラジルのブルーノ平田少年を預かり捕手として鍛え、亜細亜大に送り、将来のブラジルの指導者に育てた。06年桜美林の後輩安藤徳明(日体大)に後を託し総監督に。それから11年…。昨年「ありんこ軍団」八王子高は西東京大会準々決勝で早実を破り決勝にも勝ち、池添悲願の甲子園出場を果たした。大会5日目に日南学園と対戦することになった。安藤は出来た男で、池添に試合前のシートノックを“願い出た”。ノックバットを握りしめて本塁に向かう池添に都高野連、花の名事務局長横山幸子、俊英常務理事根岸雅則が心から拍手を送った。二人とも草鞋を作る人である。U18全日本監督小枝守が関東大会観戦に行く準備を始めている。=敬称略=(スポーツジャーナリスト)

最終更新:5/10(水) 16:50
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