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三菱自、赤字1985億円 3月期決算 今期は一転、黒字予想

産経新聞 5/10(水) 7:55配信

 ■アジア拡販 社長「V字回復で信頼を」

 三菱自動車が9日発表した平成29年3月期連結最終損益は、1985億円の赤字となった。前期は725億円の黒字だったが、昨年4月に公表した燃費不正問題に伴う関連損失が膨らんだためだ。一方で、30年3月期の最終損益では680億円の黒字予想と、“V字回復”をもくろむ計画を発表。アジアでの販売拡大を目指す計画だが、問題の影響が色濃い国内は低迷したままで、信頼回復はなお道半ばといえる。

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 「業績のV字回復で信頼回復をはかりたい」

 9日、東京都内で記者会見した益子修社長は何度もこう繰り返し、収益を拡大する計画の説明に多くの時間を割いた。

 念頭にあるのは、昨年10月に三菱自に34%出資した筆頭株主の日産自動車や三菱グループの存在だ。V字回復を目指す計画を表明し、収益面の懸念を払拭して信頼を取り戻す思惑がそこにはある。

 益子氏は32年3月期の世界販売を30年3月期予想より25%多い125万台に引き上げ、本業の収益力を示す営業利益率も2・5ポイントアップの6%にする未確定の長期計画まで堂々と打ち出した。実現に向けて得意とするアジアでの販売を伸ばす戦略を示し、その上で新たにベトナム進出を検討する方針も包み隠さず明らかにした。

 この日は、日産との協業効果も繰り返し説明。車両の共同輸送や日産流のコスト管理の導入で相応の効果を生んでいると強調し、今後は部品の共同購買や生産設備の相互活用などでコスト削減が見込めるとした。

 ただ、その一方で国内のテコ入れ策はほとんど示さなかった。国内販売は30年3月期予想で約9万台と世界販売の1割にも満たない上、燃費不正で失った信頼回復には依然時間を要する。益子氏も「早く10万台に戻したい」と繰り返すばかりだった。

 その益子氏には昨年、日産の出資後に退任する意向を示しながら、留任した経緯がある。しかし、この日も進退については「29年度を、しっかりやり遂げることに全力投球する」と述べるにとどめた。

最終更新:5/10(水) 9:24

産経新聞