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<NPT再検討会議>米大使とブラジル大使に聞く

毎日新聞 5/10(水) 22:23配信

 【ウィーン三木幸治】ウィーンで開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会に参加している米国のロバート・ウッド軍縮大使とブラジルのマルセル・ビアト在ウィーン政府代表部大使が毎日新聞の取材に応じた。米国など核保有国とブラジルなど非核保有国は核軍縮や核兵器禁止条約を巡って激しく対立しており、議論の長期化は必至だ。

 ウッド大使は、核実験を繰り返す北朝鮮を「国際(社会の)安全保障にとって最大の脅威」とし、中国、ロシアが戦略核兵器を「急速に更新していること」を重大な問題と主張。核軍縮を「より進める条件は整っていないという現実を受け止める必要がある」と指摘した。国際情勢を無視した核兵器禁止条約は「一つの核兵器も削減できず、重要な問題から目をそらすだけ」として、「危険な努力だ」と強く非難した。

 また今後、北朝鮮のようにNPTを脱退した国が出た場合、平和利用目的で加盟国が提供した核物質の回収方法などを検討する必要性を指摘した。

 一方、核兵器禁止条約を推進するビアト大使は、核保有国が持っている核弾頭数は減っているものの、「核兵器の更新を実施しており、NPTの精神に反している」と強調。核兵器禁止条約はNPT全加盟国の「同意に基づいていない」としながらも、今が「動く時」であり、多くのNGOが支援するこの条約は「世界中の人々がより(核軍縮に)関わろうとし、変化が起こるサインだ」と述べた。

 一方で、「(核保有国の考えに)短期間で大きな変化が起こると期待するのは非現実的だ」と指摘。自らの役割を「議論を続ける意思を示していくこと」として、交渉の長期化を視野に入れていることを示唆した。

 【ことば】核拡散防止条約(NPT)

 1970年発効で、191カ国・地域が加盟。米露英仏中5カ国の核軍縮を交渉する義務▽加盟国の核不拡散義務▽原子力平和利用の権利--を規定し、5年に1度の会議で、この3分野を議論、検証する。会議の3年前から準備委員会を毎年開き、課題を整理する。核保有国であるインドとパキスタン、事実上の保有国であるイスラエルは未加盟で、北朝鮮は2003年に一方的に脱退を表明した。

最終更新:5/10(水) 22:23

毎日新聞