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広域連携を強化 避難区域12市町村 新たに教育、企業誘致

福島民報 5/10(水) 9:20配信

 東京電力福島第一原発事故に伴い避難区域が設定された12市町村は国と福島県の支援を受け、生活環境の整備に向けた広域連携を強化する。復興拠点などを結ぶ12市町村全体の広域交通網の整備計画を平成29年度に策定する。さらに、教育振興や介護の人材確保、企業誘致などの分野でも連携を検討する。避難指示解除が進む一方、市町村単独では人材や施設の不足に対応しきれておらず、幅広い分野で相互に補完する。
 9日、三春町の県環境創造センターで開かれた将来像提言フォローアップ会議で方針を決めた。
 広域交通網の整備では現在、いわき-富岡間などの路線バスが4月から先行して運行されている。しかし、自家用車を持たない帰還した高齢者らの買い物や通院を支える交通網の整備を求める声が上がっている。このため商業施設や医療機関がある各市町村の拠点をつなぐバスの運行など被災地全体の広域交通網の整備を進める。さらに、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の関連施設への公共交通網も整える。
 新たに連携を検討する分野のうち、教育分野では、避難指示解除後も学校が再開していない、または、再開しても児童・生徒数が極端に少ないケースを想定。市町村の枠を超えて通学できる体制などを検討する。
 介護・福祉分野は人材不足が依然深刻で、地域の特別養護老人ホームなどは、再開が困難な場合もあるとみられる。このため、各市町村の施設間で職員を派遣し合う仕組みづくりなどを視野に入れる。
 商工業分野では、ロボット開発や再生可能エネルギー研究といったイノベーション・コースト構想関連施設や進出企業と連携して誘致を図る仕組みづくりを目指す。
 原発事故の避難指示区域は今春、大熊町と双葉町を除き居住制限・避難指示解除準備両区域が解除され、面積は設定された直後の3分の1の約370平方キロまで減少した。住民の帰還が徐々に進む一方、復興の進み具合には地域差がある。このため、国、県、市町村は昨年から検討会議で協議してきた広域連携の取り組みを本格化させ、人材や設備を共有することで被災地全体の復興や住民の帰還促進を進める必要があると判断した。

福島民報社

最終更新:5/10(水) 10:47

福島民報