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アリシア・ヴィキャンデルも引っかかった 『光をくれた人』デレク監督のサプライズ演出

5/10(水) 18:00配信

オリコン

 俳優のマイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィキャンデルが共演する映画『光をくれた人』(26日公開)。メガホンをとったデレク・シアンフランス監督は、結婚したカップルの幸福な記憶と愛の破綻を描いた『ブルーバレンタイン』などを手がけ、演技を超えたリアルを求める独自の演出で知られている。同作でも、わずかなキャストとスタッフだけで人里離れたロケ地で共同生活を行い、徹底的にリアリティーを追求。そのこだわりから、ヴィキャンデルもデレク監督のサプライズ演出に“引っかかった”という、あるエピソードを明かした。

映画『光をくれた人』場面&メイキング写真

 同作は、M・L・ステッドマン氏の小説『海を照らす光』を原作に、他人の子どもを自分の娘として育てようとする灯台守とその妻の愛と葛藤の日々を描く。撮影中にファスベンダーとヴィキャンデルが恋に落ち、2人の愛情あふれるシーンの数々が登場する。

 デレク監督の演出は、俳優たちが映画のキャラクターと同じ環境に身を置き、そのときの感情のままにさせ、徹底的にリアリティーを追求し作品を作っていくというもの。ヴィキャンデルは「彼は感情を扱うのが上手いの」と語り、初日に撮影されたトム(ファスベンダー)が暮らす孤島にイザベル(ヴィキャンデル)が初めて訪れるシーンを振り返った。

 撮影が行われたのは、ニュージーランド南島の最北端のキャンベル岬。実際に1870年代から活躍する灯台があり、その下には灯台守の宿舎もある。スタッフが世界中で300以上の灯台があるロケーションを訪ねようやく見つけた場所。デレク監督は、そんな場所に初めて訪れるヴィキャンデルの完全な素の反応がほしかったと語り、初めてセットに連れていく時、ある変わった指示を出した。

 現地に入ってまず、目を閉じているように言われたヴィキャンデル。何も見えない状態で小屋の中に連れて行かれ、撮影できる状態に準備して待っていると、助監督から「これからドアを開ける。外にはデレクと撮影監督とスタッフが数名いる。彼らに向かって歩いて行き、初めて見るこの島を満喫してほしい」と突然リクエストを受けた。

 ヴィキャンデルは「言われた通り私はドアを開けて、イザベルのように丘を駆け上がった。この時、彼女がまるで子どものように自然を愛し興奮していたんだと感じたわ。そして灯台に向かって歩いていたら、その瞬間、太陽が昇ってきたの。あんなに美しい光景は今まで見たことがなかった。私はイザベルとして、あれを体験したのよ。あの経験は今後もずっと私の中で生き続けるわ」と興奮した様子で振り返り、デレク監督も「あの瞬間は、ひたすら神々しい感じだった。書き表すことも、予測することもできなかった。アリシアが私たちの目の前でイザベルになって、初めてこの地を見たんだよ」と絶賛している。

 絶景を初めて目にする興奮はイザベルのものであり、同時にアリシアのものでもあるという、デレク監督の驚きの演出。初日のエピソード以外にも、映画全編に監督こだわりの演出が冴えわたっている。

最終更新:5/10(水) 18:00
オリコン