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月面に立つアメリカ星条旗は「ぼろぼろ」 ー 科学者らが懸念

BUSINESS INSIDER JAPAN 5/10(水) 7:10配信

月面に立てられた星条旗とその隣に並ぶアポロ11号の宇宙飛行士 ー この写真は、時を経ても色あせることがない。月面の星条旗は、遥かかなたの地球に向け「我々はここまで来た」と告げている。

だが残念なことに、1969年から72年にかけて月面に立てられた6つの星条旗の状態は良くない。

NASAの無人月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(Lunar Reconnaissance Orbiter)」が2012年に撮影した画像によると、6つの星条旗のうち、少なくとも5つは残っていることが判明した。しかし強烈な太陽光に数十年間さらされ、その象徴的な色は失われていると推測される。

Gizmodoはもはや星条旗は完全に真っ白になっているだろうと伝えているが、国旗の状態はもっと悪い可能性がある。

星条旗はレーヨン生地を使い、Annin Flagmakersが製造した。NASAが支払った費用は5ドル50セント、現在の貨幣価値にして約32ドル(約3600円)だ。地球ではこのような旗は太陽光で色あせる。太陽光に含まれる紫外線は、地球の大気に完全には吸収されず、旗の繊維と色を破壊するからだ。

月は太陽光を吸収する大気を一切持たず、クレーターの外に日陰はない。つまり、アポロの宇宙飛行士によって立てられた星条旗は、毎回2週間、強烈な太陽光と太陽からの紫外線にさらされる(月の「1日」は地球の約28日間に相当するため、昼は14日間、つまり2週間続くことになる)。

スミソニアン博物館の雑誌「Air & Space」2011年7月号の記事で、科学者のポール・スプーディス(Paul Spudis)氏は次のように解説した。

アポロ計画により、宇宙飛行士たちは6つの星条旗を月に立てた。40数年の間、星条旗は、照りつく太陽光と100度の熱を14日間、マイナス150度の凍えるような寒さと暗闇を14日間、交互に繰り返す月の過酷な環境にさらされてきた。しかし、こうした環境よりも厳しいのは、太陽からの強烈な紫外線で、星条旗の生地(モダール)を破壊している。地球上でさえ、何年も強い日光にさらされた旗は色あせてしまう。つまり、アメリカの偉大な功績を象徴する月面の星条旗は、さえぎるものなく太陽から直接届く紫外線によって、真っ白になっているだろう。物理的に壊れ始めている旗もあるはずだ。

アメリカにはもう明確な宇宙計画はない。我々の頭上にある月にはもう星条旗だと分かるものははためいていない。なんと皮肉なことだろう。

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最終更新:5/10(水) 7:10

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