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保育新時代<1> 乳児期の特徴 知っていますか

福祉新聞 5/10(水) 14:28配信

 待機児童や保育士制度、保育所保育指針改定など何かと動きの多い保育所。そこで、現場経験があり厚生労働省の審議会委員も務める寺田清美・東京成徳短大教授に、主任保育士が知っておくべき情報について連載して頂きます。(編集部)

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 乳児期は、人間の一生のうちで最も心身の成長発達の著しい時期です。しかし、周りの大人の援助なしでは生命を維持できません。この点を十分に認識しながら、心身の健康管理や発達段階を踏まえ、健やかで和やかな人格形成を目指すことが大切です。

 生まれたばかりの赤ちゃんは、自分と自分ではないものの区別がつきません。例えば、お腹がすくなど自分の中で起きていることと外界との区別がつかない「内外未分化」(自他融合)の状態にあると考えられています。

 また、乳児期には次のような特徴があります。

 視覚については、人の顔に注意をひかれ、特に額と髪の生え際を追視します。聴覚は人の言葉に反応。嗅覚は、乳などの身近な匂いをかぎわけられます。味覚は、甘さや酸っぱさ、苦さ、塩味を区別できます。触覚は、口唇探索や吸飲反射など口の周辺が敏感です。

 このように赤ちゃんは周囲と関わる力をかなり発達させて生まれてきます。つまり人と関わる共鳴動作を前提に誕生するのです。具体的にはどういうことでしょうか。

 顔を合わせるように抱き、大きく口を開いて舌を突き出すと、生後1カ月前後の赤ちゃんは機嫌が良いと同じように舌を出します。

 これは自分を相手の身体(内面・気持ち)に重ねて意思の疎通を図るというコミュニケーションが芽生えているからです。生まれたばかりであることを考えると、ずいぶん積極的に応答し、自らも働き掛ける赤ちゃんもみられます。

 2018年度に改定となる保育所保育指針の乳児保育には、生活や遊びが充実することを通して、子どもたちの身体的・精神的・社会的発達の基盤を培うという基本的な考え方が盛り込まれています。

 これらを踏まえてこの連載は、乳児を主体に「身近な人と気持ちが通じ合う」「身近なものと関わり感性が育つ」「健やかに伸び伸びと育つ」という視点で保育内容を確認し、現場で取り組みやすいよう整理することから始めてみたいと思います。主任保育士の皆さんは、その重要性を他の職員に伝える働きが期待されます。

 【寺田清美さん略歴】
 東京成徳短期大学教授。保育歴26年(係長副園長)の経験もあり、社会福祉士の資格も持つ。厚生労働省の社会保障審議会保育専門委員会委員も務めている。

最終更新:5/10(水) 14:28

福祉新聞