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家電やめます 伊那市のふるさと納税返礼品

長野日報 5/10(水) 8:00配信

 「ふるさと納税」の返礼品をめぐり高市早苗総務相から名指しで批判を受けていた伊那市は9日、総務省の通知に従って市独自の運用方針を見直し「資産性の有無を問わず全ての家電製品を返礼品から除外する」と表明した。白鳥孝市長は市役所で開いた会見で、見直しの理由について「返礼品競争の社会的混乱への配慮」と強調。返礼品目の取り扱いによって全国の自治体間で不公平が出ないよう、12日に総務省に出向いて直接要請する考えも示した。

 返礼品競争の過熱を受け総務省は、家電製品などを「資産性が高い」として返礼品から除外するよう通知。伊那市は先月17日に独自の運用方針を発表し、調達額10万円以上の家電については返礼品から除外したが、法人税法施行令を根拠に10万円未満の家電は資産ではなく、消耗品という考え方で取り扱いを継続した。この動きに総務省は方針見直しを同市に求め、高市総務相も違和感を示していた。

 会見で白鳥市長は「地方の小さな自治体が奪い合いをするのは、ふるさと納税の本来の姿ではない」と指摘し、返礼品競争に歯止めをかける点で総務省と考えが一致したと説明した。一方で自治体間の不公平が生じないためにも、基準やルールが必要と言及。市としては今後、地域の個性が発揮できる返礼品を提供していく考えを示した。

 新たな運用方針は6月1日に切り替え予定。従来160品目に上った同市の返礼品は、4月に示した運用方針で100品目に減り、今回の見直しで10万円未満の家電(プリンター、カメラ、ジューサー、ホームベーカリーなど30品目)がさらに除外され、6月からは米や特産品など70品目ほどになる。

 一方で、木材加工製品やペレット配送、そばやマツタケの味覚体験ツアー、ドローンの操縦技術習得合宿など、地域の資源や取り組みを生かした返礼品を新たに盛り込んでいく考えだ。

 ふるさと納税の寄付の大半を占めていた家電の取り扱いがなくなることで、昨年度に県内市町村で最多となった72億円の寄付額は大幅な落ち込みも見込まれるが、白鳥市長は「予算とは別の財布としてふるさと納税を扱ってきており、(財政運営に)大きな影響はない」と説明した。

最終更新:5/10(水) 8:00

長野日報