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《ブラジル》ジャパン・ハウス=開館2日間で7509人来場=注目の中、ついに一般公開=「もっと最先端技術を見たい」

ニッケイ新聞 5/10(水) 7:19配信

 日本政府の文化広報施設「ジャパン・ハウス」が6日、ついに一般公開された。開館前には100人以上の来場客が列をなし、最潮時には整理券が配布され、60メートルを越える長蛇の列になった。開幕2日で来場者の合計は7509人を数え、好調なスタートを切った。サンパウロ市の金融街パウリスタ大通りの新名所としてさらに注目が高まりそうだ。開館初日の同館を訪れ、来場者の声を拾ってみた。
 ざっと見た所、来場者の約8割が非日系人だ。フェイスブックで同館を知ったというヴィトリアさん(19)は、「こんなに素晴らしいとは想像していなかった。とても独創的。市民の関心を喚起するのでは」と好印象の様子。

 パウリスタ大通りという好立地に位置し、檜のファサードが気になっていたという人も多い。建築技師のモニカ・メンデスさん(46)は、「フェイスブックで知り、事前に建物を下見に来ていた」と語り、「建築の詳細に関心がある。2、3度通ってもっと理解を深めたい」と興味津々の様子。
 美術家のジョエル・ベイガさん(31)は、「芸術家の交流拠点として継続する場所は少ない。芸術家のための調査拠点として、日伯交流がさらに強いものとなれば」と期待を語るなど、隈研吾氏がデザイン監修した建物・内装への高い関心が伺えた。
 一方で、「現代的な日本の姿を見せる」ことが一つの目的であるが、分かりづらいとの声も。
 ヒカルド・ジエゴさん(24)は、「コンテンツが豊富で、知らない日本文化の側面もあった」と評価するが、「想像していたよりも伝統的。日本の最先端技術など現代的な姿をもっと見たい」との感想を持ち、「伯人に分かりやすく伝える工夫も必要だ」とのべた。
 また、入場者数の多くは比較的に年齢層の高い大人が多く、青少年は疎らといった印象。津田レアンドロさん(29、三世)は、「音楽など若者が関心を呼ぶような館内イベントも」と語り、空いている多目的スペースを最大限に利用し、今後、ワークショップや公演会開催などによる集客の工夫も期待される。
 一方、日系人からは総じて称賛の声が相次いだ。村上マサコ(二世、94)さんは、「日本人にしか作れない繊細なもの」と太鼓判を押す。田辺楊子さん(二世、72)は、「移民が持ってきた日本文化とは違う、子供達の関心を呼びそうな現代的側面を伝えてくれている」と語り、コロニアの外側にいる若い日系人の日本への関心を呼び覚ましてくれそうだと期待をする。
 7日には約1万5千人の来場客を迎え、イビラプエラ公園で音楽家の坂本龍一氏らを招き記念公演を行うなど、華々しく開館した。この好発進を活かして、伯人の期待に応える新しい内容を提示し続けられるかが、今後の課題となりそうだ。


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     ◎
 ジャパン・ハウス開幕前には、東信氏が手掛けた花で飾られた30台の自転車「フラワー・メッセンジャー」が、一カ月に渡って市内各所を走行して宣伝し、フェイスブックなどでも大きく話題になっていた。開館前日には当地テレビなどが大々的に報道したことで、好発進につながったよう。息切れせずに、この勢いで2年間を通してほしいもの。なお、開館時間は火~土曜の午前10時から午後10時。日曜祝日は午前10時から午後6時まで。入場無料。高価な日本文化関連の書籍を多数収蔵する図書室もある。日系コレジオや日本語学校の生徒などはもちろん、日系団体もぜひ、まとまって見学に行ってみては。

最終更新:5/10(水) 7:27

ニッケイ新聞