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【映像】自閉症の子供に付き添う チリのセラピー犬サービス

AP通信 5/10(水) 18:36配信

(サンティアゴ チリ 4月28日 AP)― 9歳になるディエゴ・ロサレス君は自閉症で、以前は歯科医に行くのが嫌いだったが、今は待ち遠しくなっているという。その秘密は、ディエゴ君のような自閉症の子供に付き添ってくれるセラピー犬の存在だ。

大概の子供は歯科医に行くのを嫌がる。自閉症の子供ならなおさらだ。顔に当たるライトが気になったり、器具が出す音に怯える。ときには彼らの神経を休める必要もある。

ディエゴ君が4歳だったころ、治療が嫌で、歯科医師の手を何度も噛んだことがあった。
母親のベロニカ・ナルバエスさんは、最近の変化をこう語る。
「以前は、映画を観に行くとかウソをついて歯科医に連れて行ったんですよ。でも、今は違います。『いつ歯科医さんへ行くの?』とか『いつ歯を診てもらえるの?』とか訊いてくるんです。それで『今日歯科医さんへ行くわよ』というと、もう最高に幸せそうなんですよ」。

犬の調教師のラウール・バレラさんは、ディエゴ君のような子供のためにニッチな仕事を始めた。

バレラさんは自閉症の子を持つ親として、家族のラブラドール犬と過ごした後は子供の社会的相互作用が改善されることに注目。それまでの仕事を辞めて、自閉症の子供のためにセラピー犬のトレーナーになることにして、治療の間だけ自閉症の子供に付き添うことを専門にするJunto a Ti (「君の隣に」)という団体を立ち上げた。

「大変なことをやろうとしたわけではないんです。息子の助けになればと思って始めたことが、同じように助けを必要としている人が沢山いることに気付いたわけです」。

メスの方がオスより大人しいためセラピー犬に向いているということで、「君の隣に」には常時6匹のメスのラブラドール犬がいる。犬はドリルの音に慣れるように訓練されており、子供が叫び声を上げたり、毛や耳を引っ張っても大丈夫なように調教されている。

「大した発明ではなく、基本的な常識ですよ。大事なのは子供と犬のコミュニケーションで、特定の種類の犬である必要があり、そういう犬を選んで、訓練して、飼育するということです」と、バレラさんはいう。

いまのところ、セラピー犬の付き添いを受ける子供は50人程で、首都サンティアゴの南のプエンテ・アルト地区にあるロス・アンデス大学のクリニックが、唯一セラピー犬を受け入れている。

同大学の教師で歯科医でもあるアンドレア・オルメノさんは、クリニックにセラピー犬がいる利点をこう説明する。
「大概の子供は、歯科医の待合室に入りたがらないものですが、犬と親しくなることで、治療室に入ることにも抵抗がなくなります」。

クリニックは1回のサービスにつき7000円バレラさんの団体に支払っているという。治療費は子供の家族の経済レベルによって何段階かあるようだ。

(日本語翻訳 アフロ)

最終更新:5/10(水) 18:36

AP通信