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私の役割は男性リーダーにダイバーシティを「体感」してもらい、背中を押すこと

BUSINESS INSIDER JAPAN 5/10(水) 8:10配信

今や「女性活躍」や「ダイバーシティ」という言葉を聞かない日はないが、イー・ウーマン代表の佐々木かをりさんはすでに25年ほど前から、日本で女性たちが働き続けるためには女性同士のネットワークが必要と、毎年「国際女性ビジネス会議」を開いてきた。特にこの数年は、経営者など男性リーダーたちの意識改革にも力を入れる。その狙いを統括編集長の浜田敬子が聞いた。

浜田 「国際女性ビジネス会議」には各界の女性リーダーだけでなく、男性経営者によるセッションもあります。今年はどんな方が参加されるのですか。

佐々木 カルビーの松本晃会長兼CEO、阪急阪神百貨店の荒木直也社長、メットライフ生命保険の会長社長最高経営責任者のサシン・N・シャーさんなどです。政治家では小泉進次郎さんなども。経済界や政治家などの男性リーダーを積極的に呼ぶようになったのは、ここ7年くらい。以前は首相から「参加したい」という電話がかかってきても、断ってしまったことがあるほど(笑)。今はぜひ男性の政治家にも来ていただきたい。この会議の空気を体感してもらって、政策を作る時に「こんなことがあったな」と思ってほしいのです。

推進室を作ったゴーン氏

浜田 男性リーダーは「体感」すると変わりますか?

佐々木 男女共に、頭で理解することに加え、体感が必要だと考えています。第7回にカルロス・ゴーンさん(日産自動車会長)が参加してくださったんです。たくさんの日本人女性の前で話す講演は、おそらくその時が初めて。「忙しいから30分だけ」という約束でしたが、大会場で講演した後、彼が「質問ある人?」って会場に向かって聞いたんです。すると、たくさん手が上がった。質問者全員がネイティブスピーカのような流暢な英語で国際会計基準や組織論についてなどの質問を次々に浴びせたんです。ゴーンさんは私の隣の席に戻ってくるや、「かをり、僕帰らなくてもいい?」と。最後は会場を練り歩いて参加者と名刺交換して帰られました。翌日も電話が来て「すごく良かった」と。それから10カ月後に日産にダイバーシティ推進室ができたのです。

浜田 まさに「体感」が変えたんですね。

佐々木 私はその時の体験でダイバーシティを推進するには、男性のリーダーの「国際女性ビジネス会議」への参加が大きな意味があることを痛感しました。ダイバーシティを推進しているリーダーや、すでに必要性を感じているけれど「あと一歩」という方に、1000人を超える意識の高い働く女性たちが集まるこの会議で、実力や可能性を見ていただき、ダイバーシティを話題にする機会を増やすこと。これが政治と経済界の男性リーダーに貢献できる私のミッションだと思っています。

浜田 参加された男性リーダーの中で、他に変化が見られた方はいますか。

佐々木 昨年だとアシックスの尾山基会長兼社長CEO。尾山社長は打ち合せの時は「うちは海外ではダイバーシティがすごく進んでいるけれど、国内はなかなかそうはいかないんだよ」とおっしゃっていたんですが、打ち合せの最中にすでに女性活躍の目標数値を上げたんです。さらに、当日会場でさらに数値目標を上げられた。

浜田 佐々木さんは数社で社外取締役をされ、政府の委員もなさっています。企業は本質的に変わっていますか。

佐々木 変わってきていると思います。社外取締役はNEC、日本郵便、小林製薬、AGP、監査役が東京海上日動火災です(4月末現在)。企業が取締役や監査役に任命しているわけですから、そこで女性の話を聞かないことはない。

浜田 単なる「数合わせではない」と。

佐々木 もちろん。男女に関係なく意見を聞いているし、質問した事に関しては当然きちんと答える。企業経営をよくするためですから、どの社も相当真剣ですよ。社外取締役に女性を入れることはガバナンスの上でも、企業成長のためにも大変重要なので、イー・ウーマンでも企業に候補者を推薦しています。

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最終更新:5/10(水) 8:10

BUSINESS INSIDER JAPAN