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院生殺害、元准教授側は棄却求める 損害賠償訴訟の初弁論

福井新聞ONLINE 5/10(水) 17:44配信

 福井県勝山市で2015年、赤トンボの研究をしていた東邦大(千葉県)の大学院生菅原みわさん=当時(25)=が殺害された事件で、嘱託殺人罪で実刑が確定した福井大大学院の元特命准教授前園泰徳受刑者(44)に対し、遺族が慰謝料など約1億2千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、千葉地裁で開かれ、前園受刑者側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、遺族側は「嘱託を裏付ける証拠がない。被告は秘密裏にしていた不倫関係が公になれば、地位や名誉、家族を失うのでないかと恐れた。被告に被害者を殺害する動機があった」などとして嘱託殺人罪の認定は不当だと主張、殺人罪と認定するよう求めている。

 前園受刑者の代理人弁護士は閉廷後、取材に応じ「嘱託殺人罪は刑事裁判でも認められている。こちらに責任はない」と述べた。

 菅原さんの父仁三さん(58)は閉廷後に記者会見し「刑事裁判で真実が明らかになったとはいえず、結果はとうてい受け入れられない。前園受刑者には本当のことを語ってほしい」と話した。

 福井地裁判決では、前園受刑者は15年3月12日、勝山市の路上に止めた車内で、菅原さんから「もう殺してください」などと殺害の嘱託を受け、首を腕で絞めて窒息死させたとした。嘱託殺人罪が適用され16年9月、懲役3年6月(求刑懲役13年)が言い渡された。福井地検、被告とも控訴せず判決が確定した。

 ■嘱託殺人罪 被害者の依頼を受け、その人を殺害した場合に適用される。同意を得て殺害する承諾殺人罪や、自殺を唆す自殺教唆罪、手助けする自殺ほう助罪と同じく刑法202条で規定している。法定刑の上限が死刑となっている殺人罪よりも軽く、6月以上7年以下の懲役または禁錮となっている。

福井新聞社

最終更新:5/10(水) 17:44

福井新聞ONLINE