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東京製鉄、中国から鉄スクラップ輸入。電炉で初、九州工場に1000トン

鉄鋼新聞 5/10(水) 6:02配信

 東京製鉄が中国から鉄スクラップを輸入したもようだ。9日に船が九州工場岸壁に接岸し、きょう10日に荷揚げを行う。数量は約1千トン。国内の電炉メーカーが中国からスクラップを輸入したのは初めて。東鉄では価格的なメリットとともに、将来的に中国がスクラップ輸出国に転じることを見据えて試験的に輸入した。

 東鉄では中国からの輸入に関して「個別の取引にはコメントしない」(酒井久敬購買課長)としている。ただ、東鉄では引き続き岡山や田原工場での試験的な輸入を検討しているとみられる。
 東鉄はこれまで米国など輸出国から鉄スクラップを輸入するケースはあった。本来、輸入国だった中国が鉄スクラップの輸出をオファーしてきたことに関心を示し、今回初めて試験的な輸入に取り組んだ。
 東鉄は大型連休中に中国の鉄スクラップの品質などを調査するため、酒井課長と検収担当の2人を現地に派遣している。今回輸入したスクラップでも品質や数量をしっかり確認する考え。
解説/中国産スクラップ輸入/将来の需給構造転換も
 東京製鉄が中国から鉄スクラップを試験的に輸入したことは、将来、世界的な鉄スクラップ需給構造が大きく転換することに対する警鐘の意味がある。
 中国が鉄スクラップを輸出した背景には、品質が劣悪な“地条鋼“の生産停止を中国政府が決定したことが挙げられる。地条鋼の生産量は年5千万トンとされる。その原料となる鉄スクラップが一時的に輸出に振り向けられたもよう。すでに韓国やベトナムにも輸出が行われた。
 鉄スクラップ輸出国である日本が中国産スクラップを輸入する必要性は薄い。ただ将来、中国が本格的な輸出国に転じた場合、日本のスクラップ業界は輸出市場で一段と厳しい競争を強いられる。今回の東鉄の輸入は将来の大きな転換点を示唆している。(小堀 智矢)

最終更新:5/10(水) 6:02

鉄鋼新聞