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【箱根への道】青学大・下田ら駅伝ランナーを続々と輩出する静岡の公立・小山中の秘密

スポーツ報知 5/10(水) 15:00配信

 静岡に不思議な中学校がある。小山町立小山中は青学大の下田裕太(4年)、日体大の室伏穂高(3年)ら好選手を輩出。来年の箱根駅伝には4人が出場する可能性もある。越境入学がない普通の公立校でありながら、なぜ優れたランナーが生まれるのか。“小山中の謎”に迫った。

【写真】小山中出身の青学大・下田裕太は20年東京五輪を目指している

■全校生徒200人の“奇跡”の中学校

 箱根から金時山を越えた先に“奇跡”の中学校がある。静岡県小山町立小山中学校。10代マラソン日本最高記録(2時間11分34秒)保持者の青学大・下田、2年連続で箱根路を駆けた日体大・室伏、順大の次期エース候補と期待される藤曲寛人(2年)、帝京大の実力派ルーキー・小野寺悠。3学年で約200人、全国平均(約330人)の約3分の2の小さな中学校から箱根駅伝常連校の好選手が次々と生まれている。

 強豪高校のように能力が高い選手を集めているわけではない。特別な越境入学もない。「みんな実家は近所です」と下田は言う。

■元甲子園球児の熱血先生が「遊び」を交えて指導

 では、なぜ強い選手が続々と誕生するのか。大きく分けて4つの理由が考えられる。

 〈1〉元甲子園球児の熱血先生 現在は御殿場市高根中で教べんを執る秋岡達郎先生(48)は2007~14年、小山中に勤務し、下田らを指導した。「走ることを好きになってもらうことを一番に考えた」という。下田は当時の練習を笑顔で振り返る。「毎日、1キロか3キロのタイムトライアルです。女子の遅い選手から順番にスタートして最後に男子の速い選手が走り出す。全員が一緒にゴールするように先生がハンデを決めて上位の10人以外は罰ゲームがある。きついけど、遊びの要素があるから楽しかった」。秋岡先生は富士高の左翼手として1987年センバツに出場した元甲子園球児だ。選手としては陸上経験がない熱血先生は「陸上の常識にとらわれずに指導した。ウォーミングアップも生徒個々に任せた。高校、大学で伸びるために心も体も余力を残すことが中学教師の仕事です」と明言する。下田が卒業した後の11、12年には県駅伝大会で優勝し、全国大会に出場したが、結果は重要視していない。日体大の陸上部出身の鈴木宰校長(59)は「全国大会出場は二の次。将来、強くなることが大事です」と強調する。

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最終更新:5/10(水) 17:40

スポーツ報知