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岡山大、胃小さくして肥満症治療 腹腔鏡で切除し食事量を制限

山陽新聞デジタル 5/10(水) 23:19配信

 岡山大は、糖尿病や高血圧など肥満に伴う病気がある「肥満症」の患者の胃を小さくする手術を、同大病院(岡山市北区鹿田町)で始めた。岡山県内では初の取り組みで、食事量を制限して体重を減らし、病気を治療する。

 肥満症の患者に対し、欧米では手術で胃を小さくしたり、胃から腸へバイパスを作ったりして食事や栄養の摂取を抑える治療法が普及。日本でも2010年に先進医療として一部施設で認められ、14年に保険適用の対象となった。現在は関連学会の認定施設だけで10施設以上に広がっている。近県では広島大が導入している。

 岡山大は「臨床研究」の位置付けでスタート。身長と体重から計算する体格指数(BMI)が32以上と肥満度が極めて高く、食事や運動療法といった従来の治療法を半年以上続けても十分な効果がない人らを対象に、腹腔(ふくくう)鏡下で胃の外側を切り取る「スリーブ状胃切除術」を行う。

 同大大学院消化器外科学と腎・免疫・内分泌代謝内科学が研究の中心となり、実際の手術は大学病院のスタッフが手掛ける。手術前後の食事、運動療法の支援にも内科、精神科の医師、臨床心理士、栄養士らの多職種チームで取り組む。

 2月上旬以降、これまでに県内の30代女性ら2人に手術を実施。ともに経過は順調で、体重の減少や患っていた糖尿病の改善が見られるという。将来は、国の基準(実績10例以上)をクリアして保険適用の対象施設となることを目指す。

 岡山大のチームは「手術さえすれば簡単に減量できるわけではなく、手術後のフォローが重要。チーム力で患者を支えたい」としている。

 肥満症の治療 日本では食事と運動を通じた減量が基本だが、失敗するケースが多い。薬物治療も副作用などから有効性は高くないとされる。手術による治療の国内先行例では大半の患者が大幅な減量に成功し、1年後も多くが減量を維持していた。糖尿病や高血圧が改善し投薬が不要になったケースもあるという。

最終更新:5/10(水) 23:19

山陽新聞デジタル