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宿敵自滅で悲願 少数与党「敵も多い」文在寅氏 試される手腕

西日本新聞 5/10(水) 11:49配信

 韓国大統領選で革新系最大政党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)氏が当選を確実にしたのは、南北融和などのぶれない主張で安定した支持を得たことに加え、宿敵・保守勢力などの自滅も大きかった。2回目の挑戦で悲願の政権交代を果たしたが、国政では少数与党。人事や政策で他党との協調が不可欠だ。従軍慰安婦問題でこじれた日韓関係や、北朝鮮政策で協調する米国、中国など外交も課題が山積する。

 2012年の前回大統領選では、朴槿恵(パククネ)氏に約3ポイント差の僅差で敗れた文氏。昨年4月の総選挙で民主党は、公認を巡る内紛で足並みが乱れた旧与党セヌリ党(現自由韓国党)に大勝。次期大統領選に向けて足場を固めたところに、朴氏の親友による国政介入事件が発覚し、「国政を混乱させた」と攻撃を強めた。

 以来、朴氏罷免の先頭に立ち、支持率40%前後で首位を独走。朴氏を支えた保守系候補が低迷する中、一時台頭した中道系の「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)氏も、告示後の討論会で安全保障政策のぶれや党政策との矛盾を指摘され終盤に失速した。

 文氏は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮との融和を掲げ、歴史認識を巡り日本と妥協しない姿勢を示し「敵も多い」(外交筋)と評される。与党民主党は第1党とはいえ、119議席で過半数(151議席)には及ばない。保守政権を徹底攻撃し、安氏らと激しい選挙戦を展開した後、分裂した国政と国民をどうまとめていくのか。その手腕がすぐに試される。 (ソウル曽山茂志)

=2017/05/10付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:5/10(水) 11:49

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