ここから本文です

人事評価は年1回から「四六時中」の時代へ

ウォール・ストリート・ジャーナル 5/10(水) 15:37配信

 ソフトウエア会社レビネートのマネジャー、ラニ・クロシャル氏はかつて、直属の部下の勤務評価を年に1回行っていた。今は従来より小規模ながら、年に数十回の評価を行っている。

 その中には、目標に関する四半期に1度の話し合い、上司と部下および同僚が評価し合う半期に1度のフィードバック、9人の部下が長期目標達成に向かって進んでいるかを確かめる作業などが含まれる。このほかに、年に1度の報酬評価プロセスがある。

 クロシャル氏は「われわれはいかに自らを向上させられるかについて、常に話し合っている」と述べる。

 勤務評価を四六時中行う時代がやって来たのだ。アドビシステムズやゼネラル・エレクトリック(GE)などは、不評の年次評価制度を見直し、従業員にもっと頻繁にフィードバックさせる新しい制度を導入している。

 各社はこれについて、フェイスブックの「いいね!」など瞬時に評価が得られることに慣れている若い従業員に合わせようとする動きだと述べる。一方で管理職や従業員は、常に批判および称賛をし合えるようになるまでが大変だと話す。

 会計大手デロイトのコンサルタント、キャシェル・ディセポラ氏は「自分のエゴは脇に置いておかなければならない」と述べる。同氏は昨年、年に2回のフィードバックから、上司と隔週で仕事ぶりについて話し合うスタイルに移行した。

 企業各社は現在、従業員評価のためのさまざまなツールを持っている。目標設定プログラムや従業員の進捗状況をリアルタイムで評価できるアプリなどだ。配車サービスのリフトも使っているツールは、スタッフの予定表を取り込んだり、会議終了後に同僚の評価を求めたりする。ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースなどの大手金融機関でも新たな評価システムが導入され、プロジェクトや取引がまとまった後に、上司や同僚に「ミニ評価」を依頼できるようになった。

 前出のクロシャル氏はかつて、直属の部下について8ページにわたる年次評価報告書を作成していた。「それは消化できないほどの情報量だった」という。

 同氏のチームは現在、一度に消化できる量のフィードバックを数多く受けている。だが、変更当初は、報酬に関する判断につながらないフィードバックを容認できない従業員もいたという。

 ゴールドマンでも、フィードバックは年次ボーナスや昇給の判断には直接影響しない。バイスプレジデントのエリザベス・リード氏は、それは「マネジャーが従業員をどうみているかという全体像の一部になっている」と述べる。

 クロシャル氏と同じ職場で働くテリーザ・チアラモンテ氏は、変更当初は何時間もかけて9人の同僚の評価をしていた。情報をどれほど共有すれば良いか分からなかったからだ。

 チアラモンテ氏は「誰の感情も傷つけなくないものだ」と話した。そして、フィードバックを受けることで「今も苦しむ」ことがあると付け加えた。

 デロイトの税務担当シニアマネジャー、アンドレア・シュルツ氏は、ほぼ隔週で20人の部下と面会し、コーチングを行っている。最初はこの時間を確保することだけでも大変であり、話題を探すことにも難儀したという。

 シュルツ氏はこのミーティングを15分程度にまで短縮し、従業員それぞれのプロジェクト、強み、改善点を話題にするようにした。すると、チームはこのミーティングを積極的に活用するようになったという。

 会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の勤務評価はかつて、長い時間がかかるプロセスだった。従業員は自らの評価をめぐって上司と交渉していた。

 PwCはこのプロセスを見直し、「スナップショット」というツールを導入した。これは短時間で頻繁に行うもので、リーダーシップ能力やビジネス感覚など5つの特性で従業員を評価する。従業員はいつでも上司にスナップショットを求めることができる。経営コンサルティング部門のディレクターを務めるジュリア・ラム氏によると、「2分くらいで終わる」ものだ。

 ただ、昨年までPwCのシカゴオフィスで働いていたあるコンサルタントは、このスナップショットが役に立たなかったという。同コンサルタントは「それは『チェック』、『チェックプラス』、『チェックマイナス』の3段階評価のようなもので、本当のフィードバックとは言えない」と話した。

 同コンサルタントはPwCでは長期のキャリアを望めないと告げられたことを受け、より小規模のコンサルティング会社に移った。

 PwCの広報担当者は、大半の従業員がこのシステムに満足していると答えている。

By Rachel Feintzeig

最終更新:5/10(水) 15:37

ウォール・ストリート・ジャーナル