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定額取り引き限定「チケトレ」 ファンをマッチング チケット高額転売を防ぐ

カナロコ by 神奈川新聞 5/10(水) 4:00配信

 人気アーティストらのライブチケットがネット上で高額転売されている問題を受けて、日本音楽制作者連盟やコンサートプロモーターズ協会など4団体は10日正午、チケットの定価取引を仲介する音楽業界初の公式サイト「チケトレ」をプレオープンする。

チケット転売問題考:モラル任せが実情

 サイトはアイドルグループ「嵐」や、星野源さんらのライブチケットが、ポータルサイトのオークションや、転売サイトなどで定価の10倍以上の値段で売買されている現状を重く見た業界が対策の一つとして打ち出した。6月1日正午に正式オープンする。

 〈私たちは音楽の未来を奪うチケット高額転売に反対します〉

 昨夏、サザンオールスターズや小田和正ら著名なアーティストが連名で新聞紙面に掲載した声明は、大きな反響を呼んだ。

 ユーザーからの「本当に行くことができなくなった時の救済処置を考えて」という要望を形にしようと二次流通システムついて検討。イベントに参加できなくなった人と、希望する人をマッチングするために考案されたのが、「チケトレ」だ。取引は全て定価で行うため、利益目的でチケットを購入した業者をしめ出すことができる。

 取り扱うのは主催者、ファンクラブ、チケットエージェンシーなどが販売したチケットで、券売済みのみ。サービスの利用を希望する出品者と購入者は、初回利用時に会員登録と、モバイル認証(携帯電話の確認)が必要。本人認証を徹底することでトラブルを防ぐ。

 代金のやりとりは、運営するチケット大手の「ぴあ」が仲介し、当事者間での金銭授受は行わない。購入金額は、公演終了の4日後までに運営者側が代金を預かり、出品者の指定口座に振り込む。

 チケットは出品者から購入者に直接発送するが、偽造チケットや、出品者の都合で公演までにチケットが届かない、また出品者がチケットを紛失・破損するなどトラブルが発生した場合は、運営側が取引をキャンセルし、購入者に代金や手数料を全額返金する。

 また、記名式のチケットの場合は、紙チケットに加え、購入者にバウチャー(購入証明書)を発行。名義が異なってもスムーズに入場できるようサポートする。

 決済はクレジット、モバイルのキャリア内で実施。コンビニ決済も導入を予定している。

 「ぴあ」は、券面金額の10%または、3999円以下の場合は一律400円を取引手数料として受け取る。システム手数料として出品者は1送金当たり380円を支払う。購入者はチケットの券面金額の3%を支払う。

 チケット転売を巡っては、コンサート会場近くなど公共の場でチケットを売りつけるダフ屋行為は都道府県の迷惑防止条例で規制されているが、ネット上の取り締まりは難しく、社会問題になっていた。「ライブ・エンタテインメント議員連盟」の石破茂会長は「ネットのダフ屋行為について、法規制できるよう努めたい」としている。

 今後、業界ではチケットの大量購入の抑制(ボット対策)や、テロ防止などの観点から会場での本人認証の徹底(電子チケットや顔認証など)にも取り組む。また、アーティストとプロモーターの共同声明などを通して転売問題への世論を喚起し、ユーザー保護と音楽市場の活性化につなげていく考えという。

最終更新:5/10(水) 12:18

カナロコ by 神奈川新聞