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“保守10年”の退行を克服し“未完の改革”進展させる機会

5/10(水) 7:23配信

ハンギョレ新聞

金大中、盧武鉉に続き民主政権3期 李明博・朴槿惠“保守10年”が残した 朴正煕時代への退行を克服し  政治元老・学者「国家の公共性回復」 富と権力の独占体制を切り崩し 国民統合を実現する政治革新が試される

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領当選者の最後の遊説は光化門(クァンファムン)だった。8日夜、演壇の周囲は青い風船を持った聴衆で足の踏み場もなかった。背伸びして人々の頭の上からようやく姿を見ることができた。「10年待ちました」と書かれた小さなプラカードと「ろうそく革命」と書かれた巨大な旗が調和していた。

 5月9日の大統領選挙で、金大中(キム・デジュン)盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に続く3回目の民主政権がスタートした。1987年の大統領直接選挙制改憲以後だけで見れば「保守既得権勢力」と「民主改革勢力」が10年周期で政権を交替している。文在寅大統領の当選は、どんな時代的意味を持っているのだろうか?文在寅当選者はどんな時代的課題を抱えて出発するのだろうか?現場に密着した記者には分かり難い。専門家たちに助けを要請した。

 政治学者のパク・サンフン・フマニタス代表は「1987年の民主化から10年ぶりに行われた野党への政権交替は、旧体制を改革できる最初のモーメントであった。しかし、両極化と貧困化の深化で大きな成果を得ることはできなかった。今回の政権交替は2番目のモーメントだ。市場経済を公正で自律的に改革し、労使関係を改善し、分配と福祉の体系を改善する有能な改革政府にならなければならない」と話した。どうすれば有能になれるだろうか?パク・サンフン代表は「“文在寅政権”ではなく“民主党政権”としての責任政治ができなければならない」とした。

 イム・チェジョン元国会議長は、政治家として歴史的意味と見識をとりわけ強調する人だ。盧武鉉政権で大統領職引継ぎ委員長も務めた。

 「4・19、5・18、6月抗争など、韓国では危機の度に国民が立ち上がり、歴史を変えてきた。今回も同じだ。これまでは“手続き的民主主義”に重点を置いてきた。しかし今回は、国民が“内容的民主主義”と“社会的進化”を要求している。平等、公正、法治、真の安保など“安心して暮らせる世の中”を強く希望する国民の声が選挙結果として現れた」

 イム・チェジョン元議長は、朴正煕(パク・チョンヒ)時代の克服を強調した。彼は「李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権の10年間、特権主義、既得権優勢、貧益貧・富益富(貧しき者はますます貧し、富める者はますます富む)、不公正、非民主的統治など朴正煕時代の遺習がよみがえる逆行が進んだ」として「ろうそく集会と今回の大統領選挙は、国民がこうした歴史的退行を拒否し、朴正煕時代を克服する過程だった」と評価した。

 パク・ミョンニム延世大教授は「朴槿恵政権は私設政府の運用で国家の公共性を破綻させた。80%に及ぶ弾劾賛成世論は、進歩-保守の問題ではなく国家の公共性を回復せよという要求だった」として「文在寅大統領は大統領責任制に首相責任制と長官責任制を結合し、国家の運用を正常化(公共化)し、公的権威と公的秩序を回復させなければならない」と注文した。

 彼は権力を握った“改革勢力”が、一定の持分を譲歩して“既得権勢力”を引き込んで馴致してこそ改革を推進できると以前から主張してきた学者だ。彼は、金大中-金鍾泌(キム・ジョンピル)、盧武鉉-鄭夢準(チョン・モンジュン)、鄭東泳(チョン・ドンヨン)-文國現(ムン・グクヒョン)の時は連合政府を、文在寅-安哲秀(アン・チョルス)の時は共同政府構成のための政治連合を主張した。今回は統合政府を主張している。文在寅政権が統合政府を構成できるだろうか?彼は分からないと答えた。

 パク・ミョンニム教授は「金大中、盧武鉉政権の時には民主勢力が行政府と議会の権力を確保したものの、巨大な官僚機構と保守的な財界・マスコミ・学界などに囲まれて島のように閉じ込められていた」として「文在寅大統領は金大中・盧武鉉政権の限界と失敗を乗り越えて、社会の構造を改革できるかが最も大きな課題だろう」と見通した。彼は文在寅大統領が金大中、盧武鉉元大統領に比べ有利な環境からスタートすると診断した。ろうそく集会、弾劾、選挙の過程で政治地形が1990年の3党合同以前に戻っており、そのおかげで穏健進歩、中道進歩、改革進歩勢力を文在寅大統領がほとんどすべて吸収して、勢力基盤を拡げたということだ。

 慶煕大フマニタスカレッジのキム・ユンチョル教授は、文在寅大統領の当選に対して「富と権力の独占体制(既得権層の私益追求体制)を切り崩し、国民統合を実現する政治革新と社会的基盤の造成が可能かが試される時期」と診断した。冷静な評価だ。文在寅当選者は期待に応えられるだろうか。

ソン・ハンヨン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:5/10(水) 7:23
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